ずっと＿「甘え」:another ページ29
「私は整形だとかあんまり気にしないので……大津さんかっこいいから大丈夫ですよ」
まだAと交際する前。彼女との五回目の食事会の帰りがけ、話題はいつからか自分の整形についてになっていた。そんなに不自然な流れじゃなかった気がする。
俺は、本当は自分の整形についてはちっともコンプレックスに思っていない。寧ろ大切な趣味だと思っている。が、彼女の前だと良くも悪くも調子がおかしくって、確か適当な自虐ネタを放ってしまったのだ。
さっきから「気がする」だとか「確か」だとか曖昧なのは、そのあとのAの言葉が衝撃で詳細なことを忘れてしまったからだ。
正直、俺が彼女からかっこいいと思われているとは想定外だった。彼女との食事のとき、俺はやっぱりインスタに載せているような
だから、今回はきっと駄目だろうと思っていた。それでも彼女との食事代はちっとも無駄とは思えなかったし、それはすなわち、もうだいぶ惚れてしまっているのだと自覚もしていた。
いっそのこと今日中にカマをかけて、できることなら体だけでも奪ってしまおうか。そんな野蛮なことさえ考えていたくらいだった。
そんな矢先の、彼女からの好感触な言葉。自分の浅はかさが恥ずかしくなった。
「ほんま？それは意外やったわ」
「そんな……大津さん、きっとモテるでしょ」
「自覚してください」彼女は無邪気に笑っていた。Aは一人の冷静な大人であると同時に、喜怒哀楽がはっきりしている子供のようなところもあった。それも、何もないときは本当に無表情でいるから、余計にわかりやすいのだ。そんなところもまた、愛しかった。
「ほんまかなぁ。モテるって言うか、俺が声掛けてるだけやねんけど」
「いやいやそんな……」
ついでに彼女は、下手なお世辞は言わない性格でもあった。だから、本当に俺のことをかっこいいと思ってくれているのだろう。
もうすぐタクシー乗場に着く。そうしたら、一旦は別れないといけない。無性に彼女との時間を延長したくなった。
「それってさ、期待していいやつ？」
「えっ？」
そんなに高くない、淡白なヒールの靴音が真横で止まった。こんなにシンプルな装いの女性に、こんなにも惚れるとは思っていなかった。
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キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» 感想ありがとうございます！御期待に添えられたなら何よりで御座います……。今後とも、御時間があるときにでも宜しくお願いします！ (2021年4月21日 23時) (
レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
葉優 - みれました！とっても面白かったですすっごくいいお話でした〜！ありがとうございます！これからも応援してます (2021年4月21日 17時) (レス) id: ecefa0f2d4 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» 遅くなってすみません、続編にてリクエストを公開させていただきました。anotherと書かれているお話までがセットですので、是非合わせて御覧下さい！また、不備が御座いましたらお申し付け下さい……！リクエストありがとうございました。 (2021年4月18日 21時) (レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
葉優 - 練習帳2！楽しみにしてます^_^ (2021年4月7日 19時) (レス) id: ecefa0f2d4 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて幸いです。リクエストもありがとうございます！そちらは続編の「練習帳2」にて近日公開致します。少々お待ちいただけると有難いです…！ (2021年4月6日 13時) (レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2021年1月8日 18時
