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私一人くらい、もうどうにでもなれ。そう思ったそのとき、どこかで聞いたような声がした。
＿＿お洒落な君。まさにその人が、酔っ払う男性の背後に立っていた。
「はぁ？」
「すみません、ほんとあの……店員さん困ってるので」
思っていたより、おどおどした喋りだった。それでも私にとってはただ一人の救世主で、とても凛々しく見えた。
「うっせぇなぁ」
「あの、本当に。さっきもカウンター蹴ってましたし、迷惑行為だって警察に通報しますよ」
「若いもんが生意気言いやがって」、男性はそんなことをぼやいていた。それでも"警察"という響きに恐れをなしたのか、偉そうな態度のままおもむろに店を出ていった。
しばらく二人で、嵐のように去っていった男性の背中を見つめていた。「すみませんでした、何もできなくて」震えて強弱がついている女子大生バイトの彼女の声がして、ようやくはっとした。
女子大生バイトの彼女は、私達二人に向けて深々と礼をしていた。これは、少し違う。
「私も上手く対処できず、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。助けていただいてありがとうございました」
これで、私と女子大生バイトの彼女で、お洒落な君に謝罪していることになった。もとはと言えば、円満に解決できなかった私も悪い。
「いやあのほんと、たまたまなので、顔上げて下さい」お洒落な君の困惑を悟り、これ以上困惑させても、とアイコンタクトで二人して姿勢を戻した。そのときお洒落な君は腰が引けていて、少し姿勢が低くなっていた。初めてこんなにしっかり顔を見た。やはりどこかで見たような顔だった。
ぱっ、と頭にある映像が浮かぶ。今、"お笑い第7世代"と称されて勢いのある四千頭身の漫才。昨夜テレビで見たのだ。彼は、なんだかその＿＿左の人に似ている気がする。
「あっ、と……？」
「すみません、特にあの……」
しまった、ついお客様の顔をじっくり見てしまった。お礼をしなくてはならない相手にそんなことをしてしまうとは、社会人失格だ。
私がそう考えている間、女子大生バイトの彼女はさっきの私のように、彼のことを見つめていた。
「ちょっと」口煩くなりたくはないが指導はしなくてはと開口したそのとき、女子大生バイトの彼女が言った。
「もしかして、四千頭身の、都築さんですか？」
"都築さん"。私はお笑いに疎いから名前は知らなかったが、やはりさっき連想したその人なのだろうか。
「あ、はい……四千頭身の都築です」
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キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» 感想ありがとうございます！御期待に添えられたなら何よりで御座います……。今後とも、御時間があるときにでも宜しくお願いします！ (2021年4月21日 23時) (
レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
葉優 - みれました！とっても面白かったですすっごくいいお話でした〜！ありがとうございます！これからも応援してます (2021年4月21日 17時) (レス) id: ecefa0f2d4 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» 遅くなってすみません、続編にてリクエストを公開させていただきました。anotherと書かれているお話までがセットですので、是非合わせて御覧下さい！また、不備が御座いましたらお申し付け下さい……！リクエストありがとうございました。 (2021年4月18日 21時) (レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
葉優 - 練習帳2！楽しみにしてます^_^ (2021年4月7日 19時) (レス) id: ecefa0f2d4 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて幸いです。リクエストもありがとうございます！そちらは続編の「練習帳2」にて近日公開致します。少々お待ちいただけると有難いです…！ (2021年4月6日 13時) (レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2021年1月8日 18時
