相方として＿「憧れ」:another● ページ11
「はい、
「ありがとさん」
相方の佐島 Aからカフェオレを受け取り、続いて向けられたレシートを避けた。「捨てといて」そう流すと、Aは呆れながらレシートを丸めてゴミ箱に放った。
きつねさんと我々コンビ四人での映画終わり、近くのコンビニで飲物を買うことになった。スケジュールミスで開始時刻ギリギリで映画館に入ったから、ポップコーンもジュースもなしだったのだ。
そこで、コンビ間でじゃんけんをし、負けたら相方の飲物を奢るということになった。どうやら四人中四人が成人しているこの集団は、最近はこういう学生みたいなノリにハマっているらしい。
結果、きつねさんで負けたのは淡路さん、我々コンビで負けたのはA。
二人して店内に入ってきて数分、Aは何事もなく戻ってきたが、淡路さんが戻ってこない。大津さんもそれを不思議がっているようで、店内の様子を窺っている。
「あれ、淡路は？」
「自分の分コーヒーにするかホットレモンにするか悩んでました」
「どうでもええやろ」
「そんな」、とけらけら笑って自分の分のコーヒーを飲み出す相方。
多分、彼女は淡路さんのことが好きなのだろう。淡路さんに関することに笑うときだけ、少し声が高くなる。初めて、しかもピンでテレビ出演したときも、淡路さんに大いに救われたそうだ。
現実主義の相方が芸人に恋をするとは意外だったが、今のところ応援するつもりでいる。
「すまん、待った？」
「待ったわ、そんで自分の何にしたん」
「コンポタ」
「コーヒーでもホットレモンでもない挙げ句スープやなぁ」
相方はまた、大口を開けて笑っている。多分、淡路さんの全体がツボなのだろう。
あたしのようなあざとさは全くないが、そんなにあざといのは淡路さんのタイプじゃないだろうし丁度いいはずだ。＿＿どうか上手く、いくといいな。
約、一ヶ月後。この間のノリで、今度はきつねさんでは淡路さん、我々コンビではあたしがじゃんけんに負けた。
今日はスケジュールミスをしたわけではなく、これをレクリエーションの一部としているのだ。
「またですね、淡路さん」
「せやなぁ……」
二人で店内に入り、飲物売場まで歩調を合わせる。あたしと淡路さんとではだいぶ身長差があるが、Aと淡路さんとではもっと近いのだろう。
「ねぇ淡路さん」
「ん？」
「相方が初めてテレビ出たときお世話になったみたいですけど、なんで声をかけられたんです？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» 感想ありがとうございます！御期待に添えられたなら何よりで御座います……。今後とも、御時間があるときにでも宜しくお願いします！ (2021年4月21日 23時) (
レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
葉優 - みれました！とっても面白かったですすっごくいいお話でした〜！ありがとうございます！これからも応援してます (2021年4月21日 17時) (レス) id: ecefa0f2d4 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» 遅くなってすみません、続編にてリクエストを公開させていただきました。anotherと書かれているお話までがセットですので、是非合わせて御覧下さい！また、不備が御座いましたらお申し付け下さい……！リクエストありがとうございました。 (2021年4月18日 21時) (レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
葉優 - 練習帳2！楽しみにしてます^_^ (2021年4月7日 19時) (レス) id: ecefa0f2d4 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 葉優さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて幸いです。リクエストもありがとうございます！そちらは続編の「練習帳2」にて近日公開致します。少々お待ちいただけると有難いです…！ (2021年4月6日 13時) (レス) id: 4f510e9748 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2021年1月8日 18時
