長文解説 ページ6
「八久のチームには九子がいる。知能はそれで充分。だから、八久のチームが知能派のチームに媚売る必要無い。
やっぱり、八久のチームと仲良くしよう」
「なんでだ?」
考えずに疑問ぶつけるんじゃない、七瀬。
「もし八久のチームに九子がいなければ、少々知能に欠ける。
そうなると、知能派な六原のチームに媚売って、この先起きるかもしれないイベントを有利に進めるようにしておく可能性がある。
でも、九子がいるからその必要はない。4人は見る限り常識者だし、利用できるチームより信用できるチームを優先するはず。
ここには、信用されやすい弐筱がいるからつまり…ってこと」
三河さんに圧倒され、弐筱くんは拍手を送った。
「…そうしよう。三河さんを信じるよ」
七瀬は、視界の端で慌てて頷いた。
「…私も。すごいね、三河さん」
「普段からしてる」
「謎解きのアプリとか?」
三河さんは、うんざりしながら答えた。
「…楽しい?」
「え?」
「私と話して、楽しい?」
なんだろう。気に障ることでも言ってしまっただろうか。それなら謝らないと。
「…私がひねくれてるだけ。気にしないで」
しかし、三河さんは変わらず淡々としているだけだった。不思議な雰囲気だ。
でも、さっきの話で三河さんは相当頭がキレるということがわかった。
「うん、そっか」
悪い人ではないのだ。そっとしておこう。
『5分経ちました! 決まりましたね!
改めて言いますが、"仲良しチーム"のメンバーのことは「絶対に裏切らない」ように! 心から優しさを持って! 』
…なんだか、先程より空気が重い気がする。
『勿論、表面上では皆さん仲良くしてくださいね! その優しさが本物か偽物かが重要です!
それから! 皆さんには、1人1部屋個室を用意しています! 』
個室?他の部屋はないんじゃ…
『皆さん、振り返ってください! 』
その時、背後の壁がシャッターのように上がり始めた。
「廊下…! 」
『この先に、個室が用意されています! ネームプレートを見て、間違えないようにご入室下さい! では、確認のため一旦自室へどうぞ! 』
…不可解だが、個室は有難い。
「皆、従ってみよう。今のところ、彼女に虚偽や挑発はない」
皆戸惑っていたものの、弐筱君の言葉で動き始めた。
サイコの大層満足そうな笑い声は、乙女のようだった。サイコからしても弐筱君は格好良いのだろうか。
「伍島、行こうぜ! 」
「ん」
私達も自室へ行こうとした、その時。
「待って」
背後から声がかかった。この単調な話し方は。
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キリカゲ(プロフ) - なっちさん» コメントありがとうございます…!お褒めの言葉を賜り光栄です。この小説に需要があったということに感激しました…尊敬だなんて勿体無いくらいです。ほぼ自己満足状態ですが、少しずつ続編の更新もしていきますので良かったら宜しくお願いします! (2020年12月28日 18時) (レス) id: 696f81e61f (このIDを非表示/違反報告)
なっち - 続編に行っているようなので読まれないことを承知で書きますが、この小説、とても好きです。私はこういう複雑な人間感情を書いた小説を面白いと感じるのですが、こんなに複雑で面白い感情の小説をかける作者様、尊敬します。これからも頑張ってください! (2020年12月28日 16時) (レス) id: 8cb8225128 (このIDを非表示/違反報告)
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