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エピローグ:2章 ページ50

七瀬は、驚きの声を上げ、身を乗り出した。
三河さんは、あくまで冷静なまま目を輝かせている。

「その都市伝説…このゲームに関することで。罰ゲームの種類とか、サイコ達のこととか。」

これは、あくまで概要。

「…ってことはさ! それを書けるってことは…生きてここから脱出した人がいるってこと。」

これが、全ての希望。
私は一息吐いて、三河さんに「役立つかな」と問い掛けた。
三河さんは、今までで1番凛々しい顔で。

「その情報、何処かで必ず役立つ。
…今回の推理は、私の意見を尊重して欲しい。だけど、3人の情報や意見も頼りにする。」

…これは、頼もしい司令塔だ。不謹慎かも知れないけど、リアル脱出ゲームのような高揚感がここにはある。
こんなふざけたゲーム、簡単に攻略して、普通の生活に戻ってやれ。それで、サイコ達を笑い飛ばしてしまおう。

「やっぱり、六原が全体を掻き乱してた。それに、誰の写真を持ってるか、全員に訊いてた。
他に問題人物は、強いて言うなら滝十と一野。滝十が激情、一野が徘徊…今のところ、大きな問題は起こしてないけど。
となると、どのチームも態度に差は無い…」

「裏切られて無い、って可能性もあるよね。」
「難しいな…」

…難しい。これが、今回を除いてもあと3回あるんだ。
生き残ることは、限りなく難しい。"仲良しチーム"に指定していないことが、六原君にバレてはいけない。
バレたらキツい罰ゲームが___

「多分、1番信用されやすいのはこのチーム。皆、単直にこのゲームを捉えてる。
利用とか関係無く、信用できるチームを"仲良しチーム"に指定した…はず。」

「ってことは…」

「…このチームは、裏切られて無い。」

裏切られて無い…。
それは嬉しいけど、そうなると必ず両チームに裏切られているチームもあることになる。複雑な思いが、脳を踏み潰すように駆け巡った。

「とりあえず、今回は推理の練習として。
推理失敗にせよ裏切りがバレるにせよ、回数が多いチームが犠牲。」

_蹴落とす、ってこと?
新たな疑問が浮かび上がり、折角の野菜炒めを無駄にしそうだ。
それにしても…だ。推理を成功させるということは、裏切りがバレるチームが出てくるということ。それって誰かが___駄目だ、吐くことになる。

「じゃあ…投票してくる。」

三河さんは席を立ち、共同スペースに向かった。その間私達は、ただ呼吸をしていた。
_いつまでできるかわからない、呼吸を。



【推理1回目:裏切られていない】

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設定タグ:デスゲーム , 裏切り , オリジナル   
作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
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キリカゲ(プロフ) - なっちさん» コメントありがとうございます…!お褒めの言葉を賜り光栄です。この小説に需要があったということに感激しました…尊敬だなんて勿体無いくらいです。ほぼ自己満足状態ですが、少しずつ続編の更新もしていきますので良かったら宜しくお願いします! (2020年12月28日 18時) (レス) id: 696f81e61f (このIDを非表示/違反報告)
なっち - 続編に行っているようなので読まれないことを承知で書きますが、この小説、とても好きです。私はこういう複雑な人間感情を書いた小説を面白いと感じるのですが、こんなに複雑で面白い感情の小説をかける作者様、尊敬します。これからも頑張ってください! (2020年12月28日 16時) (レス) id: 8cb8225128 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キリカゲ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年9月18日 22時

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