平凡 ページ19
「そうだな…和やかで平民のようだ」
ほのぼのしていて普通ということか…？
「しかし、中々切れ者が多い。四井など、弐筱と近しいものを感じる」
確かに、四井さんは社交的で大人だ。
やはりこのチームを"仲良しチーム"に指定して良かった気がする。こっちの方が気が合いそうだ。
「とにかく、私はこのチームを気に入った。生きて帰すよう精進するまでだ」
「そうだね」
独特な人だけど、人格者のようだ。
まだ、皆正常だ。…安心した。
礼をし、ソファーに座る。意味といえば、昨日からの疲労が取れきっていないためだ。
「あの、伍島さん」
「はい？」
顔を上げると、健康的に日焼けした八久君が立っていた。模範的な優しい男子という感じで、目立ちはしないが安心感がある。
「写真、交換してみない？」
ここにきて…写真か。
迷うな、弐筱君の弱味を知られたらまずいかもしれないし。
「ええと…なんで私と？」
「ごめん、なんとなくなんだ。色々考えると交換しないで終わりそうでさ」
そんなに無理に交換することもない気がする。
しかしデスゲームということは、サイコの言う通りにしないと殺られたりするのか？
いや、サイコは「交換アリ」と言っただけだ。「交換しろ」とは言っていない。
「伍島さん？」
「あぁ、ごめん」
どうしよう。八久君は見る限り優しいけど、人は窮地に陥ると変わってしまうかもしれない。
…疑うのはやめよう、八久君は"仲良しチーム"だ。
「ごめん、急だったよね。やっぱりいいや」
「うん…ごめん」
段々と、皆のことを知れてきている。しかし、簡単に裏切ったり裏切られたりする程じゃない。
『皆さん、おはようございます! 』
キンキンと脳に響く声。サイコだ。
『朝食をご用意しますので、皆さん一旦自室へお戻りください! 』
なんでだろう。サイコが直接朝食を置いてるのか？ともかく、奴らには顔を見られてはいけない理由があるのかもしれない。
「…あの! 」
「はい？」
振り返ると、おどおどした様子の一野さんが佇んでいた。
「これ、落ちましたよ…？」
間違いなく、私のヘアピンだ。そういえば、髪型をセットする余裕すらなかった。
「ありがとう」
「いえ…」
確か、一野さんは放送部だったはずだ。三河さんが、特徴としては"構成が得意"と言ってたっけ。
「チーム、どんな感じ？」
「ええと、今のところ平和で…こんなこと言っていいのかわからないけど、ちょっと楽しいです」
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キリカゲ(プロフ) - なっちさん» コメントありがとうございます…！お褒めの言葉を賜り光栄です。この小説に需要があったということに感激しました…尊敬だなんて勿体無いくらいです。ほぼ自己満足状態ですが、少しずつ続編の更新もしていきますので良かったら宜しくお願いします！ (2020年12月28日 18時) (
レス) id: 696f81e61f (このIDを非表示/違反報告)
なっち - 続編に行っているようなので読まれないことを承知で書きますが、この小説、とても好きです。私はこういう複雑な人間感情を書いた小説を面白いと感じるのですが、こんなに複雑で面白い感情の小説をかける作者様、尊敬します。これからも頑張ってください！ (2020年12月28日 16時) (レス) id: 8cb8225128 (このIDを非表示/違反報告)
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