金曜日 病院 2人目線 ページ37
最初彼女が教室に入った瞬間から、クラスは変わりつつあった。
皆彼女を思い、彼女の笑顔に癒された。
「虫呼は、ヒーローになれるな。」
「はい？」
しかし、後遺症が残るのでは…
「飯田、おまえのヒーローだろ。」
ー俺の、ヒーローー
確かに、何度も助けられた。この後彼女に感謝を告げたところで、冷たく返される始末だろう。
しかし、伝えねば。計り知れない感謝。正直な気持ち。
「しかし…退院したところで、しばらくはリハビリだろうな。」
「リハビリ…!手伝ってもよろしいですか?!」
「気が早い。」
呆れる相澤先生を見、気持ちを少しだけ上に向けた。
夢を見た。
辺り一面霧に包まれ、何も見えない夢。
せっかく全てを思い出したのに。
皆に謝らないとな。散々酷いこと言ったし。
そういえば、私の体はどうなったんだろう。
ここはどこだろう。保健室だろうか。
確か、治癒は体力使うんだとか。
後遺症とか、残らないといいけど。
どちらにしろ、当分授業には出られないだろうな。
いや、そんなことより委員長は？
あの直後、一緒に爆発に巻き込まれてなければいいけど。委員長のことだから、突っ込んできた可能性もある。心配しかない。
夢なのに鼓動が早くなっていく。
早く目覚めて、皆に謝りたい。そして、できればまた最初から。
一緒にヒーローを目指して、切磋琢磨していきたい。
時計の針は、午前1時32分を指した。
あと12分であれから1時間だ。
「はぁ…＿」
溜め息がこぼれるのも仕方ない。虫呼くんが12分以内に目覚めなければ、否が応にも寮に戻らなくてはならないのだから。
「飯田。」
「轟くん、どうした？」
「いや少し、虫呼の顔が見たくなってな。」
轟くんは、隣の椅子に腰掛けた。
「…よく見えないな。」
額には包帯が巻かれ、右目と右頬にはガーゼが当てられている。
「…俺が、巻き込まれていれば。」
「なんでだ？」
つい、口に出ていたらしい。胸の内に、留めておこうと思ったのに。
「俺が巻き込まれていれば、虫呼くんは助かった。いや、そもそも＿」
文化祭に行った時から。
「俺が、“個性”にかかっていれば。」
皆の悲しみは薄れただろうか？
皆今も寮でくつろいでいただろうか？
俺1人が傷付くだけで済んだだろうか？
虫呼くんは穏やかに笑っていただろうか？
「…そんなことになったら、虫呼が悲しむぞ。」
「…なぜだ？」
「虫呼の正義感、身を持って知っただろ。虫呼に想われた奴は、幸せ者だな。」
想われ＿いや、思われの方だこれは。
土曜日 病院 2人目線→←土曜日 病院 男子生徒目線 by飯田(2)
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キリカゲ(プロフ) - 番外編を作成しました。http://uranai.nosv.org/u.php/novel/datteatasi14/ 諸事情でエラーが起き、編集できなくなってしまった故にこちらに書かせていただきました。気付いてくださる方がいたら嬉しいです。そういった方がいたら、是非コメント欄へ…(すみません) (2018年9月13日 19時) (
レス) id: 4939a5f3d3 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 、さん» ご報告ありがとうございます。今外しました。大変申し訳ございませんでした。 (2018年7月23日 10時) (レス) id: 347b44d7b3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月22日 23時) (レス) id: 9b8c9f802a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリカゲ | 作成日時：2018年7月22日 23時
