土曜日 文化祭 私目線(10) ページ4
A「チョコ、バナナ？」
「食ってりゃ忘れるだろ。」
爆豪くん。珍しく…いや、何度目かになる気遣い。肝試しに入る前、転びそうになった私を支えてくれたのも、爆豪くんだったな。
きっと、彼は私の気持ちに気付いてるんじゃないかと思う。
それなら今、爆豪くんはどんなに苦しいんだろう。
A「ありがとう…あの…」
「いい、言わなくて。」
爆豪くんは、少し沈黙してから言葉を紡いだ。
それは重い沈黙で、時が何十分の一の速さで流れているようだった。
「…知ってる。もう、気にすんじゃねえぞ。あの言葉も…冗談、だから。」
嘘。これは、自意識過剰なんかじゃない。
だって今、爆豪くん。
A「泣いてますよ…？」
「っふ、ふざけんじゃねえぞ、誰かに言ったら殺す。」
爆豪くんは、涙を拭って乾いた笑みを浮かべた。
「うぜえんだよ。」
A「………ありがとう。」
私はハンカチを差し出したが、見事に拒否された。
やっぱり、不敵に笑う爆豪くんが爆豪くんらしい。
「悪い、中学時代の級友がいてな。む…爆豪くん、目が赤いぞ？」
「黙ってろ!ゴミが入ったんだよ!」
「皆ー、おみくじ引いてきた!中吉だったよ、半端!」
それにしても、自由な人が集まったものだ。だからこそ、爆豪くんの感情を知るのは私だけで済んだけど。
「おみくじ…俺達も、引いてみるか？」
A「そうですね!爆豪くんは…」
「絶対大吉引いてやる。」
爆豪くんは、いつもの調子に戻ったらしい。
「それ」
A「？」
「残したら殺す。」
要は、残さず食えと。
「もちろん!」
爆豪くんの、優しさだから。
「大吉だ!」
「俺より先に言うんじゃねえ!!俺が大吉だ!!」
「Aさんは？」
言い訳のようになるけど、私はくじ運が無い。
A「…凶です。」
「ふっ…テメー、運悪すぎだろっ…!」
A「ちょ、笑うことじゃ…!」
もう、説明文は読まないことにしよう。絶対いいこと書いてない。
「恋愛…『距離遠ざかり、集中するべからず』…か。」
A「委員長?!」
「あぁ、悪い!つい、気になったものでな。」
私、気にかけられてる…？いや、いい意味じゃないかもしれない。
「でも、学業はいいね!それ、羨ましいよ!」
言葉さんのフォローに救われながら、次の言葉を探す。
A「ええともう…他の場所、行きませんか？」
「はっ、それならそうと、さっさと行くぞ。」
爆豪くんは、どうやら「ついてくる」のではなく「ついてこさせる」らしい。流石、タフネス。
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キリカゲ(プロフ) - 番外編を作成しました。http://uranai.nosv.org/u.php/novel/datteatasi14/ 諸事情でエラーが起き、編集できなくなってしまった故にこちらに書かせていただきました。気付いてくださる方がいたら嬉しいです。そういった方がいたら、是非コメント欄へ…(すみません) (2018年9月13日 19時) (
レス) id: 4939a5f3d3 (このIDを非表示/違反報告)
キリカゲ(プロフ) - 、さん» ご報告ありがとうございます。今外しました。大変申し訳ございませんでした。 (2018年7月23日 10時) (レス) id: 347b44d7b3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう。違反行為です (2018年7月22日 23時) (レス) id: 9b8c9f802a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリカゲ | 作成日時：2018年7月22日 23時
