【約束のネバーランド】せんせい【男主】

ep.10 ページ10

ーー１０年間ずっと、見送る側だった。


『はぁっ…はっ…』


あれは、何だ。


食べる？人間を？

人型の、怪物？


『…あっ』


足が、重い


「…！

エマ！！」




まるであれは、

食人鬼(オニ)じゃないか。





「…いい？」


「門と、森の奥の柵へは
危ないから近寄ってはダメよ」


小さい頃から、ママにそう教わって育ってきた。


…危ないから？

一体、何から私達を守っているの？

そう、ずっと疑問に思っていた。


……………

……




ーー私はコニーの忘れ物を届けるために、
ノーマンと一緒に門へ行った。


ママにはダメと言われているけれど、
門には一度だけ内緒で行ったことがあって

ママが言うような、危ないものがないことは知っていた。



だから、

コニーの、死体があるなんて

思ってもいなかった。




『はぁっ、はあっ』



鬼は、想像上の生き物で

みんなは、里子に…


「この農園の人肉は、
全部金持ち向けの高級品なんだぜ」


……農園？人肉？


「そろそろ、フルスコア３匹も"摘める"よう仕上げておけ」

「はい、畏まりました」


……ママ？


私達はずっと、

食べられるために生きてきたの？





『ノーマン』


『ママは、いつもの優しいママだよね』



息を整える間も無く、続ける。




『…荷台のあの子、

コニーじゃなかったよね…？』



だれでもいいから、否定して欲しかった。




「……ッ





あれは、コニーだった」





ーーノーマンの言葉を聞いて、とても怖くなった。


家族が、みんな、ころされていた。

ママは、敵だった。

今生きているみんなも、このままじゃ全員…





『…うっ



うぁああああああああッ！！！』






ーーたった１つの事実が、現実を覆すことがある。

ここは、農園。

私は、食料。


ーーそして、その事実を知ったことは

物語の流れを、結末さえも

大きく変えることとなる。


ー

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