ep.33 ページ33
ーー
「ふざけんな……なんであいつがッ！！」
「う、そ……嘘だよね？」
「うわぁああん」
「泣いちゃ、泣いちゃダメなのに……」
ーーレイが、取り乱している。
弟たちが、泣いている。
『あ、あ……』
私が、最年長の私が、レイを止めに行かないと
お姉ちゃんの私が、慰めに行かないといけないのに
そうは思っていても、体はちっとも動かない。
ーー先生が、退職する？
以前であれば、他の場所でも頑張ってね！と応援できたはずなのに
このハウスの真実を知ってしまった今では、
悪い想像ばかりが頭を巡る。
ーーそして、ふと、目の前にある食事を見て
今まで忘れていた、あの日の記憶が呼び起こされた。
「ーーそういや、アイツまだ来ないのかよォ」
「アイツ？」
「アレだよアレ。今出荷されてきたヤツと同じハウスに居る
ーーあの、成人肉」
ーー上が食べずにとってあるって、さぞかし旨ェんだろうなァ
そんな、鬼の言葉を思い出して、背筋が凍った。
ーーまさか、先生は
「ーーエマ、だいじょうぶ？」
私を心配する声にハッとして隣を見た。
そこには、自分だって泣きたいはずなのに
唇を噛み締めて、涙を必死に堪えているフィルがいた。
『……フィルッ』
「なかないで、エマ……」
ーーごめん、ごめんね。
お姉ちゃんなのに
フィルよりも先に、私が泣いちゃってごめんなさい。
涙で視界が滲んでいく中フィルを抱きしめると、
次第に腕の中からも嗚咽が聞こえてくる。
とくん、とくんと脈打つフィルの心臓を感じながら
泣き疲れるまで、一緒に泣いた。
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名無し(プロフ) - やばい！面白すぎてやばい！一気読みして来ました！完結しているのが残念でしたが凄く良い作品でした！ (2021年6月13日 15時) (
レス) id: cfb7b828ee (このIDを非表示/違反報告)
緑豆太 - ママアアアアア (2019年4月15日 22時) (レス) id: 92e40b26df (このIDを非表示/違反報告)
羽毛ふぇると - 給料日の回のマッマめっちゃかわよい....尊き...いっぱいちゅきぃ... (2019年4月13日 2時) (レス) id: 6073aafc50 (このIDを非表示/違反報告)
左京 - めっちゃ好きです！まさか先生とは！今までにない設定なので楽しんで読めます！更新頑張ってください！ (2019年4月5日 19時) (レス) id: d703cd32c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：woof x他2人 | 作成日時：2019年4月4日 3時
