30(亮平Side) ページ30
俺は指を絡めた蓮の手をさっきよりもより一層、強く離さぬようにと握りしめた。
相変わらず彼の手は温かい。
これでは、まるで手のカイロのようだ。
自分から、彼を慰めるべくとった行動だ。
なのに、俺はなんだか自分が温めて貰っているような。
そんな、不思議な気持ちになった。
彼氏とも、付き合ってから一度も恋人繋ぎなど、したことがなかった。
最初は目も合わせてくれない、スキンシップが苦手な人だったから、あまり気にしないようにはしていたけど、やっぱり少し寂しかった。
なのに、出会って数日のホームレスの男と恋人繋ぎしているなんて、何だか変な感覚だ。
あの日、俺の家に全部の荷物を置いたまま、ここに居たらまたお前を傷つけるかもしれない、とフラフラとした足取りで出て行ったあの人のことを、俺は追いかけなかった。
あの時、手を伸ばしていれば、今日ここに、俺の隣にいたのは彼だったのだろうか？
何度も後悔して、何度も呼び戻そうと思った。
だけど、まだ正式に別れた訳では無いけれど……
あんな風に扱われる地獄の日々に戻るのならば、このままこのホームレスだった彼と、新しい恋を初めてみても良いのではないかと思ってしまう。
こんなことを考えてしまう悪い子だから、俺は彼に愛想を尽かされたのかもしれない。
亮平「チキンのお店、あそこの道の端にあるんだ。あともうすぐで着くよ！」
俺は蓮の手を引っ張って、にっこりと笑った。
今は俺だけを見て欲しい。
蓮にまで捨てられたら、もう俺は自分の居場所を見つけらなくなってしまうかもしれない。
本当に今日だけ……
今だけで良いから……
―― 俺を見て。
俺はそう願いながら、蓮の前では出来る限り明るく振舞ったのだった。
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桜桃(プロフ) - 雛さん» うんっ！頑張ろ〜٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2021年9月19日 23時) (
レス) id: 6b6429c2bb (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 桜桃さん» はーい！お互いに頑張ろっ！ (2021年9月19日 23時) (レス) id: 49eb3e1d4b (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - 雛さん» こちらこそありがとう〜！次の更新もお楽しみに〜^ - ^また思いついた時に「パパぱん」のコメ欄によろしくね〜 (2021年9月19日 22時) (レス) id: 6b6429c2bb (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 桜桃さん» パパは、パン屋さんっ！次の更新、楽しみにしてます！あと、この間はリクエスト答えてくれてありがとう！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 49eb3e1d4b (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 桜桃さん» ありがとー！これからも頑張る！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 49eb3e1d4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛
| 作成日時：2021年9月14日 22時
