23(亮平Side) ページ23
俺は生徒が連絡帳に日記を書いて提出してくると、毎回ご褒美として小さなシールを表紙に貼ってあげている。
彼氏とよく通った商店街の雑貨屋で選んだとびきり可愛いデザインやつだ。
ラウ「あべちゃんせんせっ！今日はクリスマスのシールだね！」
今日はクリスマスイブということもあって、特別にクリスマス仕様のシールを貼って返却すると、生徒たちはみんなそれを見て大喜びした。
ある生徒は帰りの会の間ずっとそれを見つめ、またある生徒は他の子の連絡帳を見て自分のものと見比べる。
今日一番の人気シールはトナカイでもサンタクロースでもなく、色とりどりの色で飾られたクリスマスツリーのシールだった。
クラスの子供たちがわいわいと連絡帳を見せあっている姿を黒板の横に設置されたデスクから眺めるのが俺の楽しみの一つなのだ。
A「亮平先生のクラスの子の連絡帳の表紙、みんなすっごい可愛いですよね！」
職員室で隣の席に座る先生、A先生が興奮したように鼻の穴を膨らませながら、俺のデスクを覗いてくる。
放課後、大体の生徒は帰宅しているため、校内は結構静かだった。
他の先生たちも早々に退勤しており、今職員室にいるのは俺とA先生だけだった。
俺は内心「そうでしょ、ふふん」と鼻を鳴らしながら「そうですか？」と素っ気なく返事した。
男のくせに可愛いのものが好きなのがバレるのだけは避けたいのだ。
生徒のためにと始めたシール集めがいつの間にか趣味になっているのを俺は必死になって周囲に隠していた。
A「亮平先生、センスが良いですよ〜！私のクラスの子が私もあれが良いっておねだりしてきたんですよ！」
亮平「そうなんですか？」
それはちょっと――
いや、すっごく気分がいいな。
俺は顔がにやつくのを必死に抑えながら、パソコンのキーボードを叩く。
明日の授業資料を作り終えなければ今日は家に帰れない予定なのだ。
俺が必死にインターネットから可愛いフリーイラストを探していると、A先生が「あ」と声を漏らした。
A「そう言えばシールのこと、辰哉先生も褒めてましたよ？」
亮平「……辰哉先生が？」
辰哉先生とは、俺と同じ二年生クラスの担任で、最近やたらと俺に絡んでくる先生だ。
彼は俺が何度断っても毎日のように飲みに誘ってくるし、先週はついに温泉旅行に誘ってきた。
即決で断ったが俺は彼と仲良くする気は無いのに、彼はどうやらそうじゃ無いらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜桃(プロフ) - 雛さん» うんっ！頑張ろ〜٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2021年9月19日 23時) (
レス) id: 6b6429c2bb (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 桜桃さん» はーい！お互いに頑張ろっ！ (2021年9月19日 23時) (レス) id: 49eb3e1d4b (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - 雛さん» こちらこそありがとう〜！次の更新もお楽しみに〜^ - ^また思いついた時に「パパぱん」のコメ欄によろしくね〜 (2021年9月19日 22時) (レス) id: 6b6429c2bb (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 桜桃さん» パパは、パン屋さんっ！次の更新、楽しみにしてます！あと、この間はリクエスト答えてくれてありがとう！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 49eb3e1d4b (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 桜桃さん» ありがとー！これからも頑張る！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 49eb3e1d4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雛
| 作成日時：2021年9月14日 22時
