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街は数日後に迫ったクリスマスに向けて活気に溢れていた。
大通り沿いにある百貨店では明るいクリスマスキャロルが流れ、スーパーで道端でサンタクロースの帽子を被った店員がケーキの宣伝のチラシを配っている。
女性ものの服屋もそのショーウィンドウの中に結構な高さのクリスマスツリーを飾り、これ見よがしにライトを光らせて、それに飛びついた一組のカップルが「きれいだね」なんて言って笑い合いながら、見事に店の思惑に引っかかって入店していく。
？「あ！雪だ！」
学校帰りの小学生の部団の集団の中でも、ひときわ目立っていた男の子の一人が声を上げた。
その声を皮切りに人々は皆、空を見上げる。
鼠色の雲から雨と見間違いそうな氷の粒がちらちらと舞い落ち、じわりと溶けるように雪が降り始めたのだ。
今年に入って初めての雪だった為に小学生たちは元気に走り回り、ちらちらと落ちてくる雪を掴もうと腕を伸ばしている。
溜息交じりに吐いた息が白く浮かび、霧のように儚く消えて無くなった。
外気に曝された両耳が赤くなって痛い。
至る所で鳴り響く街の全ての音色が耳障りだ。
俺は大通りにぽつりと設置されたベンチに腰掛けていた。
俺がここに座り始めてもう2時間ほどの時間が経過してしまったようだった。
母が褒めてくれた形のいい高い鼻も、シルバーのピアスで彩られた大きな耳も寒さで赤く染まり、唇は色を失いガタガタ震えている。
俺の隣に置かれた”大切な人”からもらった大きなリュックは雪が積もっては溶け、を繰り返すうちにすっかり色を濃くしていた。
蓮「あー……さむっ」
俺は鼻を啜りながら独り言を言い、何度か瞬きをした。
雪で濡れた睫毛が重たい。
手を突っ込んでいるジャンパーのポケットに入った数日前のカイロは既に硬くなって温度を失い意味のない物体と化した。
俺は一縷の望みにかけて、それに息を吹きかけ復活させようと試みるが、その物体が熱を発することは二度と無さそうだった。
俺は数日前に失業したばかりだ。
ここの大通りの外れにあるちょっとお洒落な居酒屋のバイトだった。
俺に解雇を言い渡した店長は「すまんね」と半ば呆れたような表情を浮かべていた。
『まさか、文字の読み書きができないとは思わなかったよ。この学歴社会で文字が読めない、書けない子がいるなんて考えてもみなかったな。ははは、すごいね君・・・見た目はそんなじゃないのにね』
店長は俺を馬鹿にしたんだ。
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桜桃(プロフ) - 雛さん» うんっ！頑張ろ〜٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2021年9月19日 23時) (
レス) id: 6b6429c2bb (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 桜桃さん» はーい！お互いに頑張ろっ！ (2021年9月19日 23時) (レス) id: 49eb3e1d4b (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - 雛さん» こちらこそありがとう〜！次の更新もお楽しみに〜^ - ^また思いついた時に「パパぱん」のコメ欄によろしくね〜 (2021年9月19日 22時) (レス) id: 6b6429c2bb (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 桜桃さん» パパは、パン屋さんっ！次の更新、楽しみにしてます！あと、この間はリクエスト答えてくれてありがとう！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 49eb3e1d4b (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 桜桃さん» ありがとー！これからも頑張る！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 49eb3e1d4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛
| 作成日時：2021年9月14日 22時
