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92(大介Side) ページ42

心頭滅却に集中するあまり、現実世界に意識を向けてなかった俺は気が付くと知らない洒落たバーのカウンターで涼太の酒のうんちくに耳を傾けていた。


涼太「このウイスキーは少しさっきのやつと違って海の香りがするでしょ?これは蒸留所が海沿いにあって、ウイスキーの味を作るうえで欠かかせないピートに潮の香りが移ってるからなんです。」


大介「ほお……」


いつの間にか俺は涼太に勧められるまま、随分杯を進めていたみたいだ。


そして横に座る涼太もまたしかり。


彼の雪のような肌はアルコールで火照って桃色に染まり、目は涙で潤んでいた。


アルコールで上機嫌になっているのか、饒舌になってこれでもかと自分の知識を披露している。


その姿はとても楽しそうで、見ていて幸せなのには違いないのだが、正直目の毒だった。


お酒を飲んだ彼は普段の数億倍色っぽく、いくら声優の学校で演技を学んでいた自分でも動揺が隠せそうにない。


涼太「同じスコットランドのピートでも、地方違えばまた違う香りになるんです。マスターこの人に一つ。」


「畏まりました。」


目の前にいたマスターが涼太のオーダー通りに磨き抜かれたお洒落なグラスに丸く精巧に削った水晶玉のような氷を一つ入れ、そこに先ほどとは違うボトルの飴色の液体を少量注ぐ。


パキパキと水晶玉が割れる音がして、すっと目の前に差し出される。


「どうぞ」


大介「あ、どうも」


涼太「まあ、飲んでみてください。明らかに味が違いますから。」


大介「うん」


今日の涼太は本当にどうしたのってくらいカッコイイ。


ウイスキーとは全く違うことを考えながら、俺は杯を傾けた。

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(プロフ) - まりなさん» お返事遅くなり、申し訳ありません(汗)コメントありがとうございます!本編が終わってからになりますが、リクエスト書かせていただきます。こちらこそ、これからも末永くご愛読のほど宜しくお願い致します。 (2022年1月25日 20時) (レス) id: 9f89b51e27 (このIDを非表示/違反報告)
まりな - 初めまして、雛さんの作品をいつも楽しみに読んでいます!リクエストなのですが、このお話の中に出てくる登場人物の過去編や未来編、だてさくメイン編も読んでみたいです!宜しければ書いてくださると嬉しいです! (2022年1月22日 13時) (レス) id: 4c6ff4de06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年9月19日 20時

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