86(亮平Side) ページ36
彼は何を思ったのか、ベッドの上に乗り上げ俺の傍に横たわる。
布団の上からトントン、と赤子をあやすように優しくゆっくりと俺を叩き始めた。
俺はいよいよ恥ずかしくなって、目を開けた。
体を横に向けると蓮がこちらを楽しそうに見ていた。
亮平「俺は赤ちゃんか?」
蓮「病人でしょ?ほら、早く寝てくださいよ。治りませんよ?」
俺が仕方なく再び目を閉じると、また彼がトントンと叩き始める。
―― これはもう、さっさと寝てしまった方が勝ちだ。
俺はそう確信して、蓮の絡みつくような視線や優しく叩く感触を意識しないように意識をあっちに追いやる。
すると次第に体がフワフワと気体に溶けていくような感じがして、手足の感覚がなくなっていく。
現実と夢の境が曖昧になり、ついに意識を失うと、夢の中で誰かが「おやすみなさい」と低く囁き、頬にキスする感触がして、俺は柔らかで甘いそれに頬を緩ませた。
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雛(プロフ) - まりなさん» お返事遅くなり、申し訳ありません(汗)コメントありがとうございます!本編が終わってからになりますが、リクエスト書かせていただきます。こちらこそ、これからも末永くご愛読のほど宜しくお願い致します。 (2022年1月25日 20時) (レス) id: 9f89b51e27 (このIDを非表示/違反報告)
まりな - 初めまして、雛さんの作品をいつも楽しみに読んでいます!リクエストなのですが、このお話の中に出てくる登場人物の過去編や未来編、だてさくメイン編も読んでみたいです!宜しければ書いてくださると嬉しいです! (2022年1月22日 13時) (レス) id: 4c6ff4de06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛 | 作成日時:2021年9月19日 20時