85(亮平Side) ページ35
体調不良でいつの間にか倒れている、というのは初めてではないので今更それほど驚きはしないが。
亮平「朝からだったかなぁ？でもしんどくなったのはほんとに今さっきなんだよ。」
蓮「あなたって人は……。朝になったら何か食べて、薬を飲んでくださいね？」
蓮はそう言ってサッサと部屋を出ていこうと立ち上がる。
俺は当然泣きたくなるくらい寂しくなって、いつの間にか彼の服の裾を掴んでいた。
引っ張られた裾を不思議そうに見る彼の表情を見て、我に返った俺は自分でも驚いて思わず舌を巻く。
亮平「えっと……」
一緒に寝ようなんて、いい年した大人が年下の男の子に言えるわけがない。
俺は気まずげに視線をうろつかせ、「ごめん」と呟き、パッと裾を手放した。
亮平「げほげほっ、」
なかったことにしようとするが、咳き込んでしまい、蓮が呆れたように駆け寄り背中を撫でてくれる。
蓮「もうっ！大丈夫ですか？」
亮平「げほげほっ、、、大丈夫、うっげほっ……う、つるから、げほっごほごほっ早く、行きな……」
蓮「こんなに辛そうなのに黙って見過ごせませんよ。ほら、ゆっくり息して？」
蓮に促されるまま、俺はゆっくりと息を吸って、吐く。
何度か繰り返すと次第に呼吸が安定し、俺はホッとして目を閉じた。
すると大きな手が頭に落ちてきて、擽るように髪を掻き混ぜる。
彼の指がとっても気持ちよくて、俺は思わず口元を緩め、フフッと笑う。
亮平「誰かにこうやって看病されるのは久しぶりだなぁ……」
蓮「そうですか。」
亮平「誰かの風邪菌貰ってきちゃったのかな？蓮にうつしたら悪いから、早く行って？」
蓮「俺を引き留めたのはあなたですよ。」
蓮の言葉に俺は自分の子供じみた行動が急激に恥ずかしくなって、体調不良とは違う熱で顔を真っ赤に染めた。
確かに引き留めたのは自分だ。
亮平「ご、ごめん、寂しくてつい……」
蓮「ほら、あなたが寝るまでここに居てあげますから目を閉じてください。」
亮平「えっ、う、うんっ……」
俺が彼の言う通り大人しく目を閉じると、部屋の照明が落ち、蓮の手が掛け布団をそっと首元まで引き上げてくれた。
彼の気遣いにジンと胸が熱くなる。
しかし、それだけでは終わらなかった。
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雛(プロフ) - まりなさん» お返事遅くなり、申し訳ありません(汗)コメントありがとうございます！本編が終わってからになりますが、リクエスト書かせていただきます。こちらこそ、これからも末永くご愛読のほど宜しくお願い致します。 (2022年1月25日 20時) (
レス) id: 9f89b51e27 (このIDを非表示/違反報告)
まりな - 初めまして、雛さんの作品をいつも楽しみに読んでいます！リクエストなのですが、このお話の中に出てくる登場人物の過去編や未来編、だてさくメイン編も読んでみたいです！宜しければ書いてくださると嬉しいです！ (2022年1月22日 13時) (レス) id: 4c6ff4de06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛
| 作成日時：2021年9月19日 20時
