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全身氷のように冷え切っているのだろう、外の冷たい外気に晒された亮平の顔はすっかり赤く染まり、身体を小さく震わせていた。
眼が少し潤んでいる気もする。
蓮「おかえりなさい。」
なんだか後ろめたい感情がチラチラと邪魔をして俺は亮平の顔がまともに見られず、フライパンの焦げをジッと見つめながら声を掛ける。
温まった料理から湧き上がるたっぷりと水分を含んだ熱い湯気が顔に掛かってうざったい。
亮平「ただいま、蓮。今日はお前が夜ご飯作ってくれたの？」
そう言って亮平はカバンも置かずにキッチンにいる俺の背中に寄ってくる。
磁石でも埋め込まれているのか、彼がピッタリと俺の肩に体を寄せてきたので、嫌でも視界に入り込んでくる。
俺は息を止めて視界斜め下にある作り立ての料理を見ることに専念した。
これほどの近距離で彼の甘い匂いやぬるい体温を意識したら、またあの日のようにおかしくなってしまいそうだったからだ。
強風に煽られたのか、彼の少し痛んだ髪の毛は荒れていた。
直そうとついつい伸ばした手を俺は寸前の所で慌てて引っ込めた。
蓮「残りものでつくったんですけど……」
俺が平然を装いボソボソと話すと、亮平はすかさず俺の肩を小さな手でゆっくりスルリと撫で、ギュッギュッと軽く揉んだ。
意識しているせいなのか、このような些細な行為すら、そう言った類の誘いの意図を含んでいるように思えてならない。
俺はネットリッとした唾をゴクリと飲み込み、不自然に瞬きを二回した。
亮平「本当に美味しそう！早速食べよう。俺は直ぐに手を洗ってくるから！」
そう言って亮平は花が綻ぶように笑う。
その笑顔を見てギュッと痛くなった腹の奥が不思議で、俺は彼から目を逸らす。
これ以上見てはいけないと思った。
これ以上見てしまったら、あの日の続きをヤッてしまう気がした。
翔太さんの思惑通りに動いてしまう自分が憎らしく思えた。
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雛(プロフ) - まりなさん» お返事遅くなり、申し訳ありません(汗)コメントありがとうございます！本編が終わってからになりますが、リクエスト書かせていただきます。こちらこそ、これからも末永くご愛読のほど宜しくお願い致します。 (2022年1月25日 20時) (
レス) id: 9f89b51e27 (このIDを非表示/違反報告)
まりな - 初めまして、雛さんの作品をいつも楽しみに読んでいます！リクエストなのですが、このお話の中に出てくる登場人物の過去編や未来編、だてさくメイン編も読んでみたいです！宜しければ書いてくださると嬉しいです！ (2022年1月22日 13時) (レス) id: 4c6ff4de06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛
| 作成日時：2021年9月19日 20時
