参振目 ページ5
薬研くんとこんのすけ、そして私は大広間の次に大きな部屋に入った。
大広間を出る際、絶望と怒りが混ざった視線を受けた。
きっと、乱ちゃんだろう。
＿＿＿＿＿＿＿＿
「さて、審神者様！
ここは基本、粟田口部屋として使われているものでして＿＿」
「っ、こんのすけ！！
……ちょっと、ちょっとだけ黙ってて。」
「…は、はいぃ……」
“粟田口”という言葉は、薬研くんの前では禁句だ。
…薬研くんは、兄弟を、弟達を折ったのだから。
……その証拠に、ほら。
自己嫌悪に染まった目をしてる。
前の、私のような＿＿いや、なんでもない。
とにかく、手首もまた力強く握っている。
「……薬研くん。
…薬研くんは、私を…審神者を、どう思ってる？」
あの決意した目はどこへやら。
今は、恐怖と自己嫌悪で塗りつぶされている。
「……俺っちは…、前任が、悪いだけだ、と…思ってる。
…でも、人間はまだ怖い。」
＿＿また、操られるんじゃないかってな…
薬研くんは、思った以上に大人らしい。
私なんかより、ずっと大人みたいな考え方だ。
私だったら、人間は全てそんなもんだと、人間を拒んでしまうだろう。
「……薬研く…薬研は、大人なんだね。」
ゆっくりと、手を薬研の頭に乗せて、優しく撫でる。
薬研の手の力が弱まったところで、私は手を握った。
「薬研は、すごく大人だ。
…だから、だから余計に気負ってしまう。
……でしょう？」
薬研の目は、涙でうるんでいた。
過去の記憶が、フラッシュバックしているのだろうか。
辛そうな表情だ。
「……俺っちは、弟達を…折っ…た。
…俺っちのせいで…弟達が…っ、弟達が折れたんだ…っ！！
俺っちが…！！前任の気を、悪くしたから…っ！！！」
溜まった涙が、一筋流れ落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 433人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アオイ - 冬歌@病弱堕天使系審神者さん» よく見てなくて15万目指してましたwそしたら10万で来て、あれ！？ってなりました！目標は高く持つといいですよー！ (2017年8月19日 2時) (
レス) id: 5f0a4babbc (このIDを非表示/違反報告)
冬歌@病弱堕天使系審神者(プロフ) - アオイさん» えっ、えっ、早いですね…えっ…だって私まだ1万5000ですスゴい…とりあえず私は8万を目標に頑張ってます…手紙ほしい… (2017年8月17日 22時) (レス) id: 5ef9420f52 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 新刀剣男子と鍛刀キャンペーン来ましたねー！悲報の里ですねw本気を出さねば！今の時点で６万だからあと少し〜！ (2017年8月16日 21時) (レス) id: 5f0a4babbc (このIDを非表示/違反報告)
冬歌@病弱堕天使系審神者(プロフ) - アヤノさん» 大好きだなんて…ありがとうございます！！！ えっ！？え、おめでとうございます！！えっ、すごい！！！私、松札のall900でやったら鶴さんでした…うらやましい限りです… (2017年8月12日 7時) (レス) id: 5ef9420f52 (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ - この作品大好きです!!(*≧∀≦*)ちなみに小竜さんはall850の松札で一発でした《*≧∀≦》かわいい (2017年8月10日 23時) (レス) id: 3eeec1e239 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬歌@審神者兼堕天使 | 作成日時：2017年3月18日 8時
