拾捌振目 ページ20
拭いても拭いてもとめどなく溢れてくるそれは、じわじわと服を濡らしていった。
…しゃくりあげ、うまく息ができずにむせてしまう。
苦しくもなければ痛くもないのに、何故だか涙がとまらない。
それが、初めてのことだった。
ぽっかりと心に穴が空いたような感覚。
ひゅうーっと、冷たい風が通るような感じがする。
「………主…？」
初めての感覚に戸惑っていたとき、声をかけられた。
…大将呼びじゃないし、この声短刀じゃないし。
この気品溢れる声は、多分…
「…………なん、ですか。
………三日月…さん。」
「……主の様子を見に行けと言われてな。」
「…………そ、ですか。」
徐々に、落ち着きを取り戻し始めた。
…誰かがきて安心したとかではない…と思う。
三日月さんは、ゆったりとした動きで私の隣に座った。
全ての動きが美しい。
その後も、少し無言の時間が続いたが、なぜだか不快ではなかった。
「…じじいは、人の気持ちはあまりわからんが…
あまり溜め込まないでくれ、主。」
驚いて三日月さんの方をみると、何処からもって来たのか、
温かそうなお茶の入った湯飲みを持っていた。
ほけほけと優しい笑顔でゆっくりとお茶を飲む姿は、確かにお爺さんぽい。
…それも、優雅なお爺さん。
その安心感からだろうか。
…また、涙がぽろぽろと出てきた。
その時、視界が真っ暗になり、私は何かに優しく包まれていた。
「…っ、え………」
「…よきかな、よきかな。」
大きな手で、ゆっくりと背中をさすられる。
それで、私は今三日月さんに撫でられていることが理解できた。
私は、優しい温もりに安心したのだろう。
…気付かぬ内に、声をあげて泣いていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「………たいしょ…う…？」
薬研は三日月の帰りが遅いことに不安を覚え、Aのいる大広間の襖を開けた。
…だが、その不安は必要なかったようだった。
…なぜならそこには、優しい表情で寝ている三日月に抱かれ、
安心したように寝息をたてているAがいたから。
「………ん…？」
しかし、薬研は見逃さなかった。
Aの頬に、幾筋もの涙の跡があったことを。
「……大将も、苦しんでるのか…？」
薬研は胸元を強く握り、何かを呟いて悲しそうに眉を下げた。
薬研はAをもう一度見た後、静かに襖を閉じた。
＿＿＿いつか、頼ってくれる…よな？
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アオイ - 冬歌@病弱堕天使系審神者さん» よく見てなくて15万目指してましたwそしたら10万で来て、あれ！？ってなりました！目標は高く持つといいですよー！ (2017年8月19日 2時) (
レス) id: 5f0a4babbc (このIDを非表示/違反報告)
冬歌@病弱堕天使系審神者(プロフ) - アオイさん» えっ、えっ、早いですね…えっ…だって私まだ1万5000ですスゴい…とりあえず私は8万を目標に頑張ってます…手紙ほしい… (2017年8月17日 22時) (レス) id: 5ef9420f52 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 新刀剣男子と鍛刀キャンペーン来ましたねー！悲報の里ですねw本気を出さねば！今の時点で６万だからあと少し〜！ (2017年8月16日 21時) (レス) id: 5f0a4babbc (このIDを非表示/違反報告)
冬歌@病弱堕天使系審神者(プロフ) - アヤノさん» 大好きだなんて…ありがとうございます！！！ えっ！？え、おめでとうございます！！えっ、すごい！！！私、松札のall900でやったら鶴さんでした…うらやましい限りです… (2017年8月12日 7時) (レス) id: 5ef9420f52 (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ - この作品大好きです!!(*≧∀≦*)ちなみに小竜さんはall850の松札で一発でした《*≧∀≦》かわいい (2017年8月10日 23時) (レス) id: 3eeec1e239 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬歌@審神者兼堕天使 | 作成日時：2017年3月18日 8時
