56話 ページ6
A−side
夢を見ていた気がする。
初めはお母さん、お父さんが私を間に挟み手を繋ぎながらお出かけをしている夢。
みんな笑っていて、それが嬉しくて私も2人の手を離さないようにギュッと握りしめた。
でも隣からお母さんだけがいなくなって、お父さんが辛そうな顔をしている。でも、私の前では決して泣かないで手を握ってくれた。
そのお父さんも居なくなって、私の手はどんどん寒くなる。
そうしたら、グルちゃんとトンちゃんが私の手を握りながらいつもみたいに言い合いをしている。
ダメだよ、なんて怒ったら嬉しそうに私の頭を撫でてくる。
しばらくして2人も村から出て行くと聞かされた。私も一緒について行くと泣きながら言うけど駄目だと言われてしまう。
いつも3人で繋いでいた手を2人が離して遠くに行く。
そして次はゾムさんが私の手を握りしめてくれた。
置いていかれないことがどうしようもなく嬉しくて握り返すと突然ゾムさんがこう言うのだ。
「お前は魔女やったんか。」
そう言って私を冷たく見下す。
何も言い訳ができない私は、ごめんなさい、許して。何もしません。私は魔法もろくに使えない魔女なんです。
そう弁解しても、ゾムさんは私に武器を向けてきて。
嫌だ、死にたくない。なんて卑しいことを考えた時にパッと目が覚めた。
ガバッと上半身を起こし周りを見渡す。
私を冷たい目で見ているゾムさんもいない。
全て夢だったんだろうか？
私は今も村にいて、1人でお店を開いていて…
「なんだ…私は1人ぼっちのままだったんだ。」
ふらふらとベッドから立ち上がり、ドアを開ける。
このドアを開けても、誰もいない。
かたんと足を踏み出すとそこには居ないと思っていたゾムさん、そしてゾムさんの知り合いであるショッピさんが椅子に座っていた。
私と目があった瞬間、ゾムさんが立ち上がる。
こわい、いやだ、きらわれる。
それだけが私の脳を埋め尽くしたとき、ゾムさんはあの森で見せてくれた笑顔でこう言った。
「ただいま、A。お願いやから、俺のこと拒絶せんといて。…抱きしめさせて？」
頭で考えるよりも先に身体が動いていた。
きっと言いたいことは沢山あったんだと思う。
でも、そんなことよりもゾムさんが私を受け入れてくれたことが嬉しくて。
「ゾ、ムさん。ごめ、ん…ごめんなさい…ごめんなさい。」
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成瀬 - わあああああああああ！更新嬉しいです！でも更新ゆっくりで大丈夫ですよ!更新されるだけで嬉しいので( ´ω`)これからも頑張ってください!楽しみにしてます！! (2019年8月18日 22時) (
レス) id: 1c8c0eeede (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 更新をとても楽しみにしていました! 私の大好きな推しが幼なじみの設定で、見つけた途端に発狂してしまいました… これからも楽しみにしています! 頑張ってください! (2019年8月18日 2時) (レス) id: ed8d61f0bf (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - ^黒ω猫^様、そらまめ様》感想ありがとうございます。完全な不定期更新で申し訳ございません。今後も読んで頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。 (2019年8月17日 21時) (レス) id: ffa34a5a29 (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - すっごく面白く一気に読んでしまいました！ 更新頑張ってください！ (2019年7月22日 14時) (レス) id: 04a77244fd (このIDを非表示/違反報告)
^黒ω猫^ - 面白いですね。魔女系好きになりました！ (2019年6月27日 16時) (レス) id: f1451596cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンク | 作成日時：2019年1月13日 11時
