62話 ページ12
A-side
「ごめんな、自分にムカついてただけや。…Aとおると、自分でも抑えられんくなる。」
何を？と聞こうとした時、パッと私の身体を離し「腹減ったなぁ」と話を変えられてしまった。
「ご飯作りますね。」
これ以上は聞かないで欲しい。ゾムさんがそう言っているような気がして私はこれ以上深く聞くことはやめた。
−−−−−−−
ご飯を食べ終わった頃にはいつも通りのゾムさんで、私に無理やりご飯を食べさせてくるところは相変わらずだった。
一通り私をからかい満足した様子のゾムさんは、ソファに寝っ転がり、私においでおいでと手招きをしてくる。
「どうしました？」
ゾムさんの寝っ転がっているソファに近づくと「ありがとう。」と言われ母の形見のネックレスを渡された。
そうだ、ゾムさんにお守りとして持って行ってもらっていたんだ。ゾムさんの手から落ちないように両手で受け取り、手の中にあるネックレスをじっと見つめる。そんな時
「俺、死にかけたん。」
信じられない言葉が頭上から聞こえ、えっ！と言いながらゾムさんを見る。
「うぉっ、びっくりした。」
ゾムさんは笑いながら、目ぇまん丸になってる。とまたからかいながらケラケラ笑う。
ゾムさんに聞きたいことが沢山あるのに、言葉がうまく口から出てくれない。
そんな私の様子を見たゾムさんはポンっと私の頭に手を乗せる。
「敵国のやつが魔法を使ってきたんや。いきなり。んで、あぁやばいって思った時にこれが守ってくれた。」
私の手のひらにあるネックレスをゾムさんが指差す。
「だから、Aと会ってなかったら俺は今日死んでだと思う。だからありがとうな。」
その言葉が嬉しくて目頭が熱くなるのを感じる。
そうか、ネックレスが、ううん。お母さんがゾムさんを守ってくれたんだ。
ギュッとネックレスを胸に抱きしめて、今はもういないお母さんにお礼を言う。
ゾムさんは少しだけ泣いてしまった私の涙を自分の手で拭いてくれる。
「泣き虫。」なんてからかうような口調なのに、拭いてくれる手は優しくて、私の頬の近くにあったゾムさんの手をギュッと掴む。
「ゾムさんが無事で良かったです。帰ってきてくれて、ありがとうございます。」
私の言葉に満足した様子のゾムさんは照れたように小さく「ん。」と返事をした。
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成瀬 - わあああああああああ！更新嬉しいです！でも更新ゆっくりで大丈夫ですよ!更新されるだけで嬉しいので( ´ω`)これからも頑張ってください!楽しみにしてます！! (2019年8月18日 22時) (
レス) id: 1c8c0eeede (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 更新をとても楽しみにしていました! 私の大好きな推しが幼なじみの設定で、見つけた途端に発狂してしまいました… これからも楽しみにしています! 頑張ってください! (2019年8月18日 2時) (レス) id: ed8d61f0bf (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - ^黒ω猫^様、そらまめ様》感想ありがとうございます。完全な不定期更新で申し訳ございません。今後も読んで頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。 (2019年8月17日 21時) (レス) id: ffa34a5a29 (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - すっごく面白く一気に読んでしまいました！ 更新頑張ってください！ (2019年7月22日 14時) (レス) id: 04a77244fd (このIDを非表示/違反報告)
^黒ω猫^ - 面白いですね。魔女系好きになりました！ (2019年6月27日 16時) (レス) id: f1451596cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンク | 作成日時：2019年1月13日 11時
