15話 ページ15
「私はこっちで寝るのでゾムさんがベッドを使ってください。まだ怪我が治ったわけじゃ無いんです。無理しないでください。」
「いつも怪我してても地面で寝てたりして慣れてんねん。俺がこっちで寝るからAがあっちで寝て」
この攻防が始まったのは今から1時間前にもなる。
ゾムさんに薬を飲んでもらい、少しだけ話をしたところでもうすぐ寝るか。という話になった。
わかりました。と返事をし、ゾムさんが椅子から立つのを待った。
するとゾムさんは椅子から立たず、むしろ何故私が椅子から立たないのかと疑問の顔でこっちを見ていた。
「あ、あのゾムさん。何かありましたか？」
「いや、早くベッド行きや。見送ったら俺もそこらへんで寝るから。」
どうやら彼は私が寝室に行くのを待っていたようだった。
ビックリしてしばらく動きが止まったが、ハッと意識がまた戻ってくる。
「な！何言っているんですか！ゾムさんはまだ怪我しているんですよ！寝室のベッドで寝てください。私がこっちの部屋で寝ます。」
「何言ってんねん。昨日意識がなかったとはいえ俺がベッド使ったやろ。もう身体は平気やし俺がこっちでええわ。Aがあっちで寝てや。」
と、いうように両者がどっちも譲らずに話し合いは平行線のままだった。
私は怪我していないし、ゾムさんに無理をしてこっちで寝て悪化なんてしたら目覚めが悪い。
どうやれば彼をあちらの部屋に行かせられるのか考えていた時
「なら、一緒に寝よか？」
信じられない言葉を言われてびしりとまた固まる。まだからかわれていると思ったが、ゾムさんは驚くほど真顔でなんて返事したらいいのか分からなくなってしまった。
「それならええんやろ？ほら寝るで。おいで」
そんなの絶対に無理だ。この歳になって男性と寝るなんて恥ずかしすぎる。本日何度目かわからないが顔の真っ赤になった私はゾムさんの背中を無理やり押して部屋に押し入れた。
へ？と情けない声を出したゾムさんは扉を開けようとするが必死になって私が抑える。
「一緒に寝ませんしゾムさんがベッドで寝てください！私はこっちで寝ます！！」
信じられないくらい大声で叫んだ私の声を聞いて
扉の向こうから、お、おう。と引いたような声が聞こえたが知ったことでは無い。
「おやすみなさい！！！！」
近くのソファーに倒れ込みタオルケットを頭まですっぽり被って目を閉じた。
バクバクと鳴った心臓が痛くて、やっと眠りについたのはその2時間後だった。
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リンク(プロフ) - シケ様 感想ありがとうございます。面白いと感じて頂けて幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。 (2019年1月12日 19時) (
レス) id: 85cd1761d7 (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - うぃ様 こんにちは。お褒めの言葉ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。 (2019年1月12日 19時) (レス) id: 85cd1761d7 (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - おじゅん様 初めまして。更新が遅くなってしまい申し訳ございません。たくさんの嬉しいお言葉ありがとうございます。これからも変則的ではありますが更新してまいります。どうぞよろしくお願い致します。 (2019年1月12日 19時) (レス) id: 85cd1761d7 (このIDを非表示/違反報告)
シケ - ちょー面白いです！続き待っております(｡･ω･｡) (2018年10月14日 17時) (レス) id: cfbdc17c2a (このIDを非表示/違反報告)
うぃ - ちわぁっす！おもしろいですね！続き待ってます！ (2018年8月31日 19時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンク | 作成日時：2018年6月18日 16時
