13話 ページ13
zm−side
顔を真っ赤にして洗面所に消えたAを見ながら
ケラケラと笑い、一通り笑い終わった俺は辺りを改めて見回す。
本棚がドンっと置いてあり、内容を見てみると
薬学や物語など多種多様な本が置いてあった。
女っぽく無い部屋やな。と心の中でクスリとまた笑う。
だがどうしてだかとても居心地がいい。
国にいた時は女なんて興味ないし、あっちだって顔と地位だけで俺らを判断するような奴らやった。
そんな奴らに辟易していたから、初めてAに会った時は、どうせこいつもつまらへんやろと決めつけた。
でも違った。
あんなハッキリと生きたいと意思を見せてきた。
あきらかに自分が不利な状況で。
しかも俺にすがる方法ではなく、だ。
あぁその目には興味がある。不意にあいつら2人に似てるな。と思った。
本棚を見るのをやめて、戸棚の上に目線を移すと
おそらく、幼い時のAだろうか。両隣には両親がおり、心の底から嬉しそうに笑う顔があった。
それと同時にこの家にはA以外の生活の匂いがしないと思った。
まぁ、今の時代親がいない奴なんてめっちゃおるか。と目線を外したところで洗面所からAが出てきた。
「お、おかえ…」
Aに目を向けると、あまりにも自覚が足りないような格好で頭を拭いていた。
「あ、ゾムさん。すいません、先にお風呂に入ってしまって。傷が痛むようなら無理して入らずにシャワーだけで結構ですので。ご自身が気にされないのであれば入らなくても大丈夫ですよ。」
「……。」
「あ、あのゾムさん…？」
自身にテクテクと警戒する様子もなく近寄るA
近くに来たAの頭を掴み、目が合うようにかがむ
「それは天然？それとも演技？」
「へ？えっと…なんのことでしょう？」
あぁ、天然か。タチが悪い。
自分のパーカーを脱いでAの頭からかける。
「ええか？男にそこまで気を許したらすぐ食われんで。さっさと上に何か羽織って来なさい。」
なぜか敬語で指示を出す俺にAは、？と頭に出した後すぐに顔を真っ赤にさせて俺から離れる。
「分かればええ。じゃあ風呂いただきまーす。」
Aの隣を通り過ぎ、浴室に向かう。
隣の部屋からはガタガタとなにかを探すような音が聞こえ、おかしくなって笑った。
風呂に入っている時に真っ赤になって自分のパーカーを羽織るAの姿を思い出して笑いと一緒に心をくすぐるようなものがあったが、その正体に気づかなかった。
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リンク(プロフ) - シケ様 感想ありがとうございます。面白いと感じて頂けて幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。 (2019年1月12日 19時) (
レス) id: 85cd1761d7 (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - うぃ様 こんにちは。お褒めの言葉ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。 (2019年1月12日 19時) (レス) id: 85cd1761d7 (このIDを非表示/違反報告)
リンク(プロフ) - おじゅん様 初めまして。更新が遅くなってしまい申し訳ございません。たくさんの嬉しいお言葉ありがとうございます。これからも変則的ではありますが更新してまいります。どうぞよろしくお願い致します。 (2019年1月12日 19時) (レス) id: 85cd1761d7 (このIDを非表示/違反報告)
シケ - ちょー面白いです！続き待っております(｡･ω･｡) (2018年10月14日 17時) (レス) id: cfbdc17c2a (このIDを非表示/違反報告)
うぃ - ちわぁっす！おもしろいですね！続き待ってます！ (2018年8月31日 19時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンク | 作成日時：2018年6月18日 16時
