宮舘と恋に堕ちてみませんか？【赤】

浮かれ ページ25

・


ずっと浮かれてる。

体中火照って、家に帰ってきてからも笑いが止まらない。


『Aちゃんが、好きなんだ』ですって。きゃー！！とクッションに顔を埋めて悶える私。



「お嬢さま、なにしてるんですか？」

「あ、えっとぉ…あはは」



お風呂が沸いたと伝えに来てくれた佳子さんは、クスクスと笑いながらも敢えてツッコまずに入れてくれて助かった。

直ぐに行くねと伝えて部屋にはまた一人になって、ふうと息を吐き出して冷静さを取り戻す。


言えないものね。

好きな人に告白されたんだよ、なんて。



誰かに言いたい、この今にも舞踊って天にまで昇りそうな気持ちを。

大袈裟と言われても良いの。

嬉しいものは嬉しいんだから。









お風呂から上がって携帯を見たらメッセージが一件届いていて、開いてドキッと心臓が跳ねる。




涼太さん今日はありがとう。突然あんな事を言ってしまってごめん。でも俺は本気だから。


「はぅぅぅぅっ」


王子様すぎる！！困る！！どうしたらいいの！？


返信をする指が震える。



A私こそ今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました! 涼太さんの気持ち、嬉しかったです。



本当ならこのまま気持ちに応えてしまいたい。

私も大好きなんですって。

でもやっぱり言えない。

だけど、駄目とも否定できなくて辛い。


あんなに浮いていた気持ちが一気に落下していく。


恋って凄い力があるんだなって思った。




涼太さん直ぐに返事はくれなくてもいい。今は俺を見てくれたらそれでいいんだ。

Aはい。ごめんなさい。

涼太さんAちゃんが謝ることは何もないよ。今日はゆっくり休んでね。おやすみ。

Aはい。おやすみなさい。




なんて優しい人なんだろう。

この人に此処から連れ出してほしいなんて、そんな事を願っちゃ駄目だよね。






.

現実は残酷だ→←抑えられな気持ち

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す