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映画を見終わった時には借りたハンカチがえらいことに。
このまま返すなんてとんでもないわね。
「あのぉ、これまた洗って返します」
「ははっ、別にいいのに」
「ダメです！」
「…ふふ、まあ。 それならまた会えるもんね？」
「え、」
映画館を出てメイク直しに御手洗に行って、戻ってきたらこの会話。
ドキドキして、キュッと心臓が鷲掴みされた感じだ。
「…ごめん。困らせちゃうね」
ふっ、と眉根を下げて微笑む涼太さんの姿にどうしても期待してまう。
"また会える"とか"困らせる"とか。
そもそもこうやって会うことだって彼にとってはどんな意味があるんだろうか。
「あの、」
「まだ時間ある？」
「え、はい、」
「じゃあ、もう少し一緒に居ようか」
差し出された大きな掌、その上にそっと手を重ねたら温かくてホッとした。
"もう大丈夫だよ"
あの時の温もりと同じだ。
するりと繋がれた手。
「行こう？」
「…はいっ」
こうして一緒にいて分かったこと。
涼太さんは服が好きってこと。
私の歩幅に合わせて歩いてくれる優しさも、話に夢中になって歩いていたら前から来る人に気付かなくてぶつかりそうになっていたら、さり気なく隣に避けさせてくれたこと。
無邪気に笑ったり、ゲームをすると負けず嫌いだったりするところ。
こうして過ごしてみて気づくこといっぱいで、時間が足らない。
もっともっと一緒にいたくて、コソッと運転手に電話して帰りの迎えは良いって伝えた。
夕食に誘われて何処に行くのかなと思って着いていくと、香ばしい香りのお店で暖簾を潜って入るとそこは昭和な雰囲気だった。
「Aちゃん、逆にこういうとこ食べないんじゃないかなと思って」
「お好み焼き。食べないですね」
「美味しいよ。試してみてよ」
通された座敷に上がって、キョロキョロとお店を見ていたらメニューを見せてくれたけど、初めてなので涼太さんに全て任せることにした。
２０分くらいして出来上がった状態で運ばれてきたチーズ入りの豚玉に、海鮮入のお好み焼きの２種類。
分けて食べようかって。
「うわ、美味しそうな匂い」
「だろ？ 食欲そそるよね。普段洋食が多いから、たまに食べたくなるんだよね。はいどうぞ」
大きなコテで切り分けてくれてそのままお皿に盛ってくれた。
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ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ふ様、ありがとうございます(o^^o) (2021年2月15日 6時) (
レス) id: e8b4c75977 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 楽しみにしてます☆ (2021年2月14日 23時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。様、ありがとうございます！素敵と言ってもらえてホッとしてます。終始不安なまま書いていたので。出ましたね(笑)キューピットさん。私も彼を必ず登場させる使命感に駆られてます(笑)残り2名も頑張りたいと思います！ (2021年2月10日 9時) (レス) id: 32279ed1b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさん、完結おめでとうございます。舘様、素敵でした！そして出たっ、キューピットふっかさん。やはり彼が出ないと(笑)残りの二名も楽しみにしてます！ (2021年2月10日 0時) (レス) id: 59fd607722 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ayaさん» aya様、コメントありがとうございます。私の書く舘様大丈夫でしたか（汗）1度始めた連載は必ず終わらせるのが目標なので、このシリーズも必ず最後まで書こうと思ってます。期待してくださって嬉しいです。その期待を裏切らないように頑張ります！！ (2021年2月9日 21時) (レス) id: 32279ed1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年12月8日 16時
