デート ページ22
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約束の映画の日。待ち合わせ場所まで初めて自分の力で行ってみることにした。
いつも運転手付きの車で移動していたけど、憧れがあった。
大好きな人との待ち合わせ場所に行くのもきっと楽しいんだろうなと。
昨夜何を着ていくか悩む時間ですら楽しかったのだから、初めて電車の切符を買う緊張感も、降りる駅を間違えないようにずっとドキドキしてるのも、何もかも新鮮で電車の窓に反射した私の顔が自然と緩んでいた。
｢えっと、１０分前……ちょっと早かったかな｣
時計を見て、涼太さんに言われた映画館の前に立ってキョロキョロしてみる。
｢うふふ｣
｢楽しそうだね？｣
｢きゃっ！！｣
｢ははっ。ごめんね？ こんにちは。余りにも楽しそうだから、暫く見てようかと思ったよ｣
｢りょ、涼太さん！ こ、こんにちは！｣
振り返ると映画館側から出てきた涼太さんは、指で挟んでサングラスを外すとにこっと優しく微笑んだ。
畏まりすぎず、ラフすぎない綺麗めなジャケットを着こなして普段からお洒落だなとは思っていたけど、今日はいつもよりカッコイイ。
ぽーっとしながら涼太さんを見上げていれば、｢行こうか｣と手を差し伸べられる。
こういうところも紳士的だなぁ。
｢先にチケット買って置いたんだ。これで良かったんだよね？｣
｢あ、はい！｣
観たい映画を決めておいてねって言われてて、男の人と観る映画なんて何を観ていいのか分からなかった私は、どろどろの恋愛映画をリクエストしてしまった。
後々考えたら恋人でもない人と、恋愛映画なんて気まずくなるんじゃないかと思ったけど……
｢ううっ、ぐずっ｣
そんなの気にしてられないくらい映画に夢中になってて、大好きな人との恋を諦めようとする主人公に完全に感情移入しちゃって、私の涙腺は崩壊してた。
ボロボロと流れる涙。
ハンカチ、ハンカチ…と、足の上に置いてたバックから手探りで探ってみても、あれ？見つからない。
｢……っ、｣
｢どうぞ｣
そんな私に周りに聞こえないくらいの音量で、ハンカチを差し出してくれた涼太さん。
あ、このハンカチ……あの時の。
ペコッと軽くお礼をして、もう一度手の中に戻ってきたハンカチで涙を拭いた。
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ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ふ様、ありがとうございます(o^^o) (2021年2月15日 6時) (
レス) id: e8b4c75977 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 楽しみにしてます☆ (2021年2月14日 23時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。様、ありがとうございます！素敵と言ってもらえてホッとしてます。終始不安なまま書いていたので。出ましたね(笑)キューピットさん。私も彼を必ず登場させる使命感に駆られてます(笑)残り2名も頑張りたいと思います！ (2021年2月10日 9時) (レス) id: 32279ed1b4 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさん、完結おめでとうございます。舘様、素敵でした！そして出たっ、キューピットふっかさん。やはり彼が出ないと(笑)残りの二名も楽しみにしてます！ (2021年2月10日 0時) (レス) id: 59fd607722 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ayaさん» aya様、コメントありがとうございます。私の書く舘様大丈夫でしたか（汗）1度始めた連載は必ず終わらせるのが目標なので、このシリーズも必ず最後まで書こうと思ってます。期待してくださって嬉しいです。その期待を裏切らないように頑張ります！！ (2021年2月9日 21時) (レス) id: 32279ed1b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年12月8日 16時
