【刀剣乱舞】伊達の竜、蒼穹を舞え！壱【大倶利伽羅】

＃Dragon Fang...46 ページ48

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＿＿＿＿ふぅ、と。


喧騒から少しだけ離れた場所。
誰にともなく、大倶利伽羅は小さな溜め息をついた。

やはり、慣れない事はしない方が身の為だ。

...普段なら、こんなに人のいるところにいるはずのない彼である。


執拗に絡んでくる鶴丸や次郎太刀、日本号の隙を突いて抜け出してきたのは、どうやら正解だったようだ。






「あらっ！あんたいい飲みっぷりだねぇ！次郎さんも負けてらんないわ！」

『私と飲み比べしようものなら、明日は二日酔い確定だぞ。それでもいいのか？』

「蒼嬢は見かけによらず酒に強いからな！ほら、もっと飲め飲め！」

「おい、いい加減そこら辺で自重しておけ、飲兵衛共ッ！！」

「そう言わないで、あんたも飲みなさい長谷部ー！」


「.......はぁ」






ガチャンバリン！...と盛大に食器が割れる音。
長谷部の怒号が飛ぶのも、時間の問題だとは思っていたが。

＿＿＿＿案の定だな。

蒼も何だかんだで周りと馴染めているようだし、...もうここに俺がいる必要もないだろう。


そう思い、一人、踵を返して部屋に戻ろうと足を踏み出した、
その時。






「あ、いたいた...。伽羅ちゃん、いきなりで悪いけど、隣いいかな？」

「...お前な......、」






ひょっこり顔を出したのは、光忠である。

人が何かしようとした矢先、こうも都合よく、かつしれっと邪魔できるのも、こいつくらいのものだ。大方、また「蒼ちゃんがいるんだから＿＿＿、」とでも言い出すのだろう。


だが、今回ばかりは折れる気はない。


こちらは、さっさと静かなところで一人になりたいのだ。

...だが。






「せっかくの機会だし、久しぶりに、付き合ってくれるかい？」

「！...珍しいな、お前が酒か」






予想は外れた。

右手に酒瓶、左手に二個の小さなお猪口を持って、光忠は笑う。






「うん、皆の事見てると何だか羨ましくなっちゃってさ。たまには良いかなと思って」






はい、どうぞ、と渡されるお猪口。

受け取るか否か一瞬迷いはしたが、...酒その物に罪は無い。


ここは素直に、貰うことにした。






「はーあ、お酒は適度にとは言うけど、...やっぱり美味しいものは美味しいよね。今なら、次郎太刀さん達の気持ちもよく分かるよ」





苦笑と共に、注いだ酒を飲み干す。
＿＿＿＿その視線の先に、さっそく飲み比べを始めた蒼天竜と次郎太刀の姿。

先程の長谷部の注意喚起は、まったく功を為していないという訳だ。

どんちゃん騒ぎは収まる気配を見せない。


くいっ、と濁り酒を煽りつつ、大倶利伽羅は軽く光忠を睨みつけた。





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