【刀剣乱舞】伊達の竜、蒼穹を舞え！壱【大倶利伽羅】

＃Dragon Fang...36 ページ38

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『...はぁ......、う、動いたぁ...』

「何だ、もう息切れか？」

『おい...、私はこれでも顕現したてなんだ。まだこの体に慣れてないのにも関わらず、お前と仕合って仕合って、疲れないはずないだろ』

「...この期に及んで負けた言い訳か？見苦しいぞ蒼」

『...ぐっ』

「体の扱いに関しては、お前もまだまだという訳だな」

『...クソ......、』






思い切り、鼻で笑われる。
軽く殴ってやろうかとも考えたが、...確かに言う通りなので、止めておく。

時は流れ、伽羅の部屋。

庭先で散々取っ組み合った挙げ句、気づいた時には完全に日が暮れていたので、こうしてやっと、自室に戻ってきたのである。


＿＿＿安心してほしい。

何も、本当に殴って蹴っての大喧嘩をしてきた訳ではない。


互いに動きを制し合い、次に来る攻撃を予測し動く。
「対人格闘術」、とでも言うのだろうか。

刀が使えないときは、自らの腕で敵を下すまでだ。


...本来「喧嘩」というものは、口ではなく拳でやるものだしな。


得意でいて不利になる事ではない。






「お前は無駄な動きが多すぎる。それじゃあ相手に先回りされて終わるだけだ」

『.......』

「男女の差は致し方ないだろうが、...改善の余地はいくらでもあるぞ」

『...だな』






＿＿＿格闘術＿＿＿、
それに関しては、誰がどう見ても私の完敗だった。
...まさか、体格の差がここまで物を言うとは思っていなかったのだ。


身長は大して変わらないが(それでも若干私の方が低い)、何せ体の構造が根本的に違う。


一撃一撃が、比べ物にならないほど重いのだ。
こちらからすれば、受け流すので精一杯。

それに加え、慣れと技...。
かろうじて私が上回った事と言えば、機動ぐらいのものである。

...上記した全てに置いて、伽羅の方が一枚も二枚も上手だった。





(もし私が、男士として生まれていたら＿＿＿)





伽羅に劣ったそれらは全て、カバーされていたのだろうか。

...ふと、そんな考えが頭をよぎった。





「俺は飯まで寝る。お前は勝手にしろ」

『...分かった』





やめた。
そもそも、こうして下らない考えをしているだけ時間の無駄。。

有り得ない事を考えるなら、先に体を動かした方がマシだ。

＿＿＿無造作に横になる伽羅をよそに、私は性懲りもなく、
部屋に隣接する、小さな中庭に降り立った＿＿。





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