【刀剣乱舞】伊達の竜、蒼穹を舞え！壱【大倶利伽羅】

＃Dragon Fang...28 ページ30

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「うん、それはお前が悪いな。どう考えても」

「...だが、事実だ」

「あのなぁ、もう二度と蒼天竜の雷を受けたくなかったら、事実だろうが何だろうが、言って良い事と悪い事を見極めなきゃダメだぞ！お前はほんっと、そういうところに疎いからなぁ...」




呆れた声が響く。

審神者室に、二つの影。
主である空寧と、大倶利伽羅である。




「くそ...、手加減無しに雷落としやがって...」

「まーま、そんなカッカすんなよ。今回はマジでホントにお前が悪いんだから」




思い通りに動かない指と、からかってくる主に苛立ちが募る。

＿＿＿蒼天竜の雷のせいで、まだ若干、身体が痺れていた。



鶴丸が当事者二人を審神者室まで連れてきて、笑い混じりに事のあらましを説明していったのが、ついさっき。

一頻り笑い上戸に陥ってから、空寧は蒼天竜に、
この本丸にもきちんと女風呂があることを教えてやった。




〔そりゃあ、審神者は男性より女性の方が多いしな。本丸で一生を過ごす人間も少なくないから、その類いは男女ともに完備してあるんだ。大丈夫、行って来い！〕




それを聞いて安心したのか、落雷時の表情は嘘のような晴れ晴れした顔になって、蒼天竜は
大倶利伽羅を振り返るのだった。





〔伽羅、お前の分のずんだ餅で、この件はなかった事にしてやるが、...どうだ？〕

〔...太って動けなくなっても知らないぞ〕

〔そうかそうか！お前は一回、女士との話し方を学習しないといけないみたいだな！！〕





綺麗に吹っ飛ぶ大倶利伽羅。

蒼天竜の盛大な右拳が、笑顔で(目は全く笑ってない)彼の腹に叩き込まれたのは、
想像に難くないだろう。

痺れと吐き気。

二つの害に同時に悩まされるのは、結構キツい。




「女を怒らせたら怖いからなー...。これからは気をつけるんだぞ、大倶利伽羅」

「...覚えていればな」

「素直じゃないヤツは嫌われるぞー」

「他人にどう思われようが俺には関係ないだろう」

「でも、蒼天竜に嫌われるのはお前だって嫌だろ？形だけでも、後で謝っとけな」

「...ふん」




主の言葉に、倶利伽羅竜は答えない。

"貞をこき使い過ぎるなよ"、とだけ言い残して、大倶利伽羅は審神者室を後にするのだった。


(＿＿＿ん？)


一瞬何を言っているのか分からなかった空寧。





「...あ、...やっべぇ、太鼓鐘の事別室に閉じ込めたままだ...！」

「ちょ、主ぃ！本の山が崩れてきて出れないんだけどぉ！！」

「わあぁぁすまん太鼓鐘！今助けるからな！？待ってろよ！」





悲鳴を上げ、大慌てで部屋の奥に引っ込むのだった。




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