#Dragon Fang...24 ページ26
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『はぁッ、...はぁッ...!』
「...っ、...くっ...!」
____そろそろ、限界が来ている。
体は酸素を必要としているのに、呼吸をすると肺が痛む。
両者の間合い、およそ三歩余り。
短いように感じられるが、おいそれと踏み込める距離ではない。
向こうもそれはしっかりと理解しているらしく、動こうとはしない。
というか、"動けない"のだ。
上がる息を抑えるのに精一杯。
呼吸を整えなければ、...攻撃のタイミングが掴めなければ、相手により大きな隙を見せることになる。
それを良い事に、私はこう着状態が続いている戦況を、改めて振り返った。
...どれだけ、あいつと剣を交えた?
当人が覚えてないのだから、多分、相当数をこなしている。
互いに相手をいなして、けん制して。
そろそろケリをつけないと、こちらまで巻き添えを食らいそうだ。
___よし。
大きく息を吸い込んで、吐く。
下段に落としたままだった両手の竹刀を、ゆっくりと構える。
伽羅も、同じ構え。
不敵な光が、その瞳に灯っている。
負ける気は毛頭無い、と。
...そう言っている気がした。
(力押しだと若干分が悪いか...)
だが、その弱点をカバーする為に、私の手には、刀が二振り握られているのだ。
一刀対、二刀。
賭ける意義はある。
決めた。このまま突っ込む。
それでいい。
...自然と上がった口角に、蒼天竜自身は気づいていなかった。
『竜の逆鱗なら___、とっくに剥がれてるんでね!!』
「俺一人で___、十分だ!!」
同時に蹴った床。
その瞬間が、やけに長く感じられた。
___宙から獲物を定める蒼竜。
地から狙いを定める倶利伽羅竜。
二匹の竜が放った衝撃波は、本丸中に渡り、
...そして。
後に残ったのは、静寂のみだった。
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*紫苑*(プロフ) - 瑠色さん» ご指摘していただきありがとうございました!早急に直しました。おっしゃる通りですね...以後気を付けますが、もしまたこのような事がありましたら、遠慮なくコメントしてください! (2019年2月18日 19時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠色(プロフ) - 失礼します。そねさんは長曽祢虎徹です。蜂須賀さんも虎「徹」です。
細かいですが、銘は大切なものなので、気をつけてください。 (2019年2月18日 1時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
*紫苑* - 月夜桜さん» コメントありがとうございます!刀剣乱舞の伊達組メインのお話って意外と少ないですよね〜。作者による作者の為の俺得小説とはまさにこれですが、それでも伊達組沼に共感してくださる方がいて、とっても嬉しいです(≧▽≦)頑張ります! (2018年9月27日 6時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜桜 - すごい面白かったです!伊達組メインとか俺得!これからも更新楽しみにしてます! (2018年9月25日 19時) (レス) id: d530b8b740 (このIDを非表示/違反報告)
ぐじゅぇり - 喧嘩上手の戦上手の…………喧嘩はわからんが、うちは薬研が一番レベル高いよ。 (2018年9月4日 19時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*紫苑* | 作者ホームページ:http://twitter.com/wakagi415
作成日時:2018年8月18日 20時