＃Dragon Fang...1 ページ3
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「退屈だなぁ...、なぁ伽羅、伽羅もそう思うだろ？」
「......別に」
「伽羅ぁ、お前さっきからずーっと"別に"しか言ってないぜ！大丈夫か！？」
「...別に......」
「........」
ミーン...、ミーン...と外で蝉が鳴いている。
縁側に吊るされている風鈴が微かに揺れてはいたが、いつものような涼し気な音色は、一向に聞こえてこない。
＿＿＿＿暑い。
夏一番の猛暑が、ようやくこの本丸にも到来したようだった。
照りつける日差し、夏の風物詩といえどもこうも蝉にミンミン鳴かれてしまうと、聞いてるこちらにとっては、迷惑でしかない。
...そんな暑苦しい声に紛れて、短刀たちが水遊びにはしゃぐ声も、小さく聞こえた。
(スイカ割りでも水浴びでも、勝手にやっていろ...)
楽し気な歓声でさえ、今日はやけに煩わしく感じる。
傍から見れば東南アジア人風の大倶利伽羅でさえ＿＿、というか、彼もれっきとした日本刀なのだから当たり前なのだが＿＿＿、
この暑さには、ぐうの音も出ない。
それに加えて、日常的に騒ぎまくっているあの太鼓鐘でさえ、
熱にうなされてぐったりしているのだからもうどうしようもないだろう。
本丸の唯一の救いであった扇風機が、
盛大な破壊音を立てて動かなくなったのがつい先日。
＿＿＿配給されるはずの新品は、未だ届いていない。
部屋の中、畳上で大の字になって、二人はぼんやりと天井を見ていた。
何もしていなくとも、額に大粒の汗が浮かんでくる。
開け放たれた襖から見えるのは、憎たらしいほどに晴れ渡った広大な空だった。
「鶴さんもみっちゃんも遠征でいねぇし...、することねぇと気も紛れなくて辛いぜ...！」
「......」
あっちへごろごろ、こっちへごろごろしている太鼓鐘をよそに、
大倶利伽羅は別の事を考えていた。
＿＿＿＿蒼空。
静かに、古い記憶の蓋が回り始める。
...意識せずとも、思い出してしまう。
(......
彼と同じ、竜の名を持つ刀剣。
蒼天竜景秀。
今頃あいつは何をしているのだろうか。
また飽きもせず、眼前に広がる空を見上げているのか。
...今の俺と、同じように。
(...くそっ......)
妙に思考がまとまらない。
それもこれも、全てはこのうだるような暑さのせいだ。
半ば苛立ちながら、乱暴に寝返りを打った、＿＿＿＿その時。
＿＿＿＿物語は、ここから始まった。
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＊紫苑＊(プロフ) - 瑠色さん» ご指摘していただきありがとうございました！早急に直しました。おっしゃる通りですね...以後気を付けますが、もしまたこのような事がありましたら、遠慮なくコメントしてください！ (2019年2月18日 19時) (
レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠色(プロフ) - 失礼します。そねさんは長曽祢虎徹です。蜂須賀さんも虎「徹」です。
細かいですが、銘は大切なものなので、気をつけてください。 (2019年2月18日 1時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊ - 月夜桜さん» コメントありがとうございます！刀剣乱舞の伊達組メインのお話って意外と少ないですよね〜。作者による作者の為の俺得小説とはまさにこれですが、それでも伊達組沼に共感してくださる方がいて、とっても嬉しいです(≧▽≦)頑張ります！ (2018年9月27日 6時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜桜 - すごい面白かったです!伊達組メインとか俺得!これからも更新楽しみにしてます! (2018年9月25日 19時) (レス) id: d530b8b740 (このIDを非表示/違反報告)
ぐじゅぇり - 喧嘩上手の戦上手の…………喧嘩はわからんが、うちは薬研が一番レベル高いよ。 (2018年9月4日 19時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi415
作成日時：2018年8月18日 20時
