#Dragon Fang...9 ページ11
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そして。
大方本丸内を巡り終えたところで、伽羅は私を建物の屋根の上へ連れ出した。
よっこらせ、とよじ登る。
...というか、この身になると跳躍一つで屋根上ぐらいすぐに行けるので、そういうところは便利である。
スッ、と立ち上がり、私が見た光景は__、
眼前に広がったのは、途方もなく広がる大自然と、大きな空、本丸の全貌だった。
『へぇ...、ほんっとに広いんだな、この本丸』
左側に見えるのが、ついさっき回った畑。
その手前に、稽古場がある。
反対の右側には、刀剣たちの自室__、
ここからだと殊更はっきり見えるが、特に平安時代の刀が集結している南棟は、雅で美しい。
そして。
どこまでも広がる蒼空と、向こうに見える霊峰、山々。
『まさか__、あそこまで行くのも私たちの自由か?』
「敷地から出るのは主の許可が必要だがな。あいつも特に考えなしに簡単に出すから、ほとんど自由と言っていい」
『はー...、つまり、何でもし放題って訳か!それはまた、楽しみで仕方ない!』
「........」
そうか、と言うように、小さく頷く伽羅。
心なしか、さっきより目が死んでない。←
ようやっと、いつもの伽羅に戻りつつあるようだ。
「......蒼」
『んー?』
頭上に広がる蒼空。
私の名と同じ色の空を眺めながら。私は大きく伸びをする。
「お前がこの環境に慣れたら、...俺たちで出陣できるといいな」
『!!..."俺たち"って、「六爪」の事か?』
「それ以外に誰がいる?」
『.....そう、だな』
"六爪流"___。
奥州筆頭と呼ばれた我らが元主は、片手に三本、計六本の刀を自在に振り回す「六爪流」を武器としていた。
さながら竜の如く。
彼は戦場で暴れ回っていた。
刀六振り。
もちろん、私の鞍切と黒ん坊切、大倶利伽羅、燭台切光忠、鶴丸国永、太鼓鐘貞宗の事だ。
その面子で、出陣。
____今度は、自分自身で刀を振るう。
そうか...。
それは確かに、楽しみだ。
『...早く、お前たちに追いつけるようにするよ。足手まといだけはごめんだ』
「あぁ。待ってる」
至極短い返答。
それでも、私の中のやる気は十分に溜まったのだった。
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*紫苑*(プロフ) - 瑠色さん» ご指摘していただきありがとうございました!早急に直しました。おっしゃる通りですね...以後気を付けますが、もしまたこのような事がありましたら、遠慮なくコメントしてください! (2019年2月18日 19時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠色(プロフ) - 失礼します。そねさんは長曽祢虎徹です。蜂須賀さんも虎「徹」です。
細かいですが、銘は大切なものなので、気をつけてください。 (2019年2月18日 1時) (携帯から) (レス) id: 04ea405d06 (このIDを非表示/違反報告)
*紫苑* - 月夜桜さん» コメントありがとうございます!刀剣乱舞の伊達組メインのお話って意外と少ないですよね〜。作者による作者の為の俺得小説とはまさにこれですが、それでも伊達組沼に共感してくださる方がいて、とっても嬉しいです(≧▽≦)頑張ります! (2018年9月27日 6時) (レス) id: 9bd0eaa6f6 (このIDを非表示/違反報告)
月夜桜 - すごい面白かったです!伊達組メインとか俺得!これからも更新楽しみにしてます! (2018年9月25日 19時) (レス) id: d530b8b740 (このIDを非表示/違反報告)
ぐじゅぇり - 喧嘩上手の戦上手の…………喧嘩はわからんが、うちは薬研が一番レベル高いよ。 (2018年9月4日 19時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*紫苑* | 作者ホームページ:http://twitter.com/wakagi415
作成日時:2018年8月18日 20時