マフィアBTSと記憶喪失少女の物語 (ページ4)

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目を開けるとさっきまで喋ってた人が倒れていた。

だんだん床に広がっていく赤いのは…血？

慌てて音のした方を振り向くと

「お前なんかが気安くヒョンの名前呼ぶんじゃねえよ。」

3分前の余裕そうにくしゃっとした笑顔を浮かべてた人とは思えないくらい倒れたまま動かない人を睨みつけていた。

「ちゃんと優しくしようと思ってたのに残念だなあ。あ、」

ジョングク？さんが突然こちらを向いた。

目はもう優しいまん丸に戻っているがどこか殺気が漂っていてビクっとする。

「すぐ終わるから耳塞いで目閉じてて。1分経ったら開けていいよ。」

私にはあまりにも優しく話しかけるから

「え、あ、はい」

と思わず素直に返事をしてしまった。

目を閉じ耳を塞いだ。

その途端多くの悲鳴と銃声が鳴った。

不思議と怖いとは感じない

あの人は自分には何もしない。

そう思えた。

57、58、59

「ろくじゅう………あの、目開けてもいいですか？」

塞いでいた手をおろし小さな声で呟いた。

もう銃声はしない。

「いいよー！」

大きなジョングクさんの声が響く。

私はゆっくり目を開けた……

「わっっ！」

視界いっぱいにジョングクさんの笑顔が広がり思わず尻もちをついた。
辺りを見渡すと十数人のおじさん達は全員倒れていた。

この人が殺したのかな……
私のために…？

そんなことを考えているとまた大きな声で話し始めた。

「俺じょんぐく！よろしく！」

殺気なんか一ミリも感じないうさぎのような目で勢いよく私の手をぶんぶん振っているジョングクさん。

「えっ、、、と、、よろしく？」

戸惑いを隠せない私はジョングクさんの小さな小さな一言に気づかなかった。

「やっと見つけた。テヒョニヒョンの妹………」