恋のゆくえ (ページ43)

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何時間泣いただろう

泣きつかれてきた頃、携帯に着信音

剛典くんだったら嫌だな

カバンをしばらく見つめたけど鳴りやむ気配もないのでしぶしぶ携帯を取り出す

隆二だ。

「もしもし・・・」

『もしもし。お前大丈夫？今日帰りにお前の後輩に怒られたよ。先輩に何言ったんですかって。倒れたんだって？ほんとごめんな。俺、言うんじゃなかったって反省してる』

「ううん。私も自分で倒れるとは思わなかったよ。なんかでもけっこうキツいかも」

『そうだよな。一応後輩には詳しくは話してないけど彼氏関連のことだってことだけ言ったからお前から話してやれ』

「うん・・」

『でさ、その話をしてた女。誰かわかった』

「だれ？」

『秘書課の春山って子。知美の同期だった。さっき知美にさぐり入れてもらったらけっこう前から岩田のこと狙ってしつこくしてたみたいだよ。』

秘書課か・・華やかさの代名詞みたいな人たち

私とは対象的だ

剛典くん私に物足りなくなってそっちに声かけちゃったのかな

『とりあえず彼女いるって情報は入れといてもらったからお前はちゃんと岩田と話せ。本人に確かめないと結局は全部推測でしかないから』

「うん。ありがとう。知美にも迷惑かけちゃったね・・・お礼言っといて」

その春山って子が言い寄っているだけだとしたら

剛典くんも乗り気じゃないかもしれない

だけど、食事の約束をしたってだけで私にとっては十分な裏切りのように感じた

確かめたいけど聞くのは怖い

もし剛典くんに物足りなくなったなんて言われたら

自分がどうなっちゃうか想像もできないよ