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空がうっすらと明るくなってきた頃ふと目が覚める
隣には剛典くんが鼻をほんの少しだけぴーぴーいわせて寝ている
子供みたいな、でも整ったきれいな寝顔を見ながら寝ぼけた頭で昨日の事は夢じゃなかったんだと思う
先週の今頃はこんなことになるなんて思ってなかった
私の心を動かしてくれた剛典くんに感謝しないと
剛典くんの髪を起こさないようにそっと撫でる
愛おしさがこみあげてこのまま自分だけの物にして
閉じ込めてしまいたいと思う
ずっとここで私のことだけ見てて欲しい
誰かの事こんな風に思った事は今までなかった
自分がこんなに独占欲の強い女だと思わなかった
彼と出会わなければ一生知らないままだったかも知れない
大切にしたい、彼のことも、この思いも
『んー・・』
剛典くんが少し動きながら目を開ける
「ごめん。起こしちゃった!?」
『うん・・起こされた。お詫びのちゅーは?』
う・・
それはさすがに・・まだ恥ずかしい・・
もじもじしていると剛典くんに首の後ろを掴まれて強引にキスされる
昨夜のいつもと違う剛典くんの顔を思い出してくすっと笑ってしまう
『何?』
「剛典くん・・ベッドの中だとSだよね」
『あー・・別にそういう感じ出すつもりじゃなかったんだけど、Aさんの泣き顔見てたら全部俺の物にしたくてああなっちゃった。俺、Aさんの泣き顔。好きみたい』
なにそれ。
私が女だからかよく理解できない
『Aさんはさ、ベッドの中だとすごく色っぽいよね』
色っぽい・・って!
「絶対色っぽくないよ。口から心臓出るくらいドキドキしてて全然余裕なかったんだから」
『狙ってやってないとしたら余計タチ悪いよ。泣き顔とかそういう色っぽさとか見せるのは俺の前だけにしてね』
私をぎゅっと抱きしめて足まで絡められる
《剛典くんのもの》になれた気がして私の心はじんわり温かくなった
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作者名:Kirari | 作成日時:2015年10月20日 13時