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ランチを食べ終えると、剛典くんは近くの駐車場の方に歩き出した
「車で来たの?」
『はい。俺、車運転するの好きなんでAさんと一緒にドライブしたいなって思って』
彼がセンサーでカギを開けたのはベンツだった。
『なんて、見栄はったんですけどこれレンタカーです。俺にはまだ買えません』
「私、持ってる車で値踏みしたりしないよ」
乗り込みながら
『わかってますよ。Aさんはそんな人じゃないです』
剛典くんは微笑んだ
父以外の男の人と2人で車に乗るなんて久しぶりすぎてまた緊張してしまう。
『どこ行きたいですか?』
「剛典くん考えてくれてるんじゃないの?」
『いや、一応Aさんがどこ行きたいっていっても案だせるように色々考えてきたんですけど』
すごい。
いったいどれぐらい私のために時間を使ってくれていたんだろう
改めて感動してしまう
「じゃあ、海がみたいかな」
『了解!じゃあどこに行くのかは着いてからのお楽しみですよ』
剛典くんはカーナビに目的地も入力せずに車を発進させる。
どこに連れて行ってくれるんだろう
ハンドルを握る両腕に、少しだけドキドキした
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作者名:Kirari | 作成日時:2015年10月20日 13時