恋のゆくえ (ページ2)

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いつもと同じ会社への道

足元を見ながら歩くのが嫌いな私はどんなに疲れていても前を見て歩くようにしている

足元見てなさ過ぎてたまにつまづいたりもするけど・・・・

『おはよっA』

「っった～」

後ろから思いっきり背中を叩いてくるニャンちゅうみたいな笑顔は同期の隆二。

「どんだけ全力なのよ朝からうっとうしいな」

『いやぁ～俺今日夜知美とメシだからさ。元気なわけっ』

いひひ～とでも言いそうな嬉しそうな顔

知美は隆二の３つ年下の彼女。

小さくてふわふわしててめちゃくちゃ可愛い

『Aが眉間に皺寄せて歩いてたからさ～幸せのおすそ分け？してあげようかと思ってさ！お前も早く男の一人くらい作れよな』

「しわなんて寄せてないしびっくりするぐらい大きなお世話です」

『それそれ。その言い方がかわいくないの！もっと隙を作らないとな。』

お前に言われなくてもかわいげないのはわかってる

だけどお前に、隙を見せてどうするんだよ

『なぁA』

隆二が働く部署の扉の前まできて立ち止まり、がしっと右手で私の肩をつかむ

『いや、俺マジで入社以来彼氏も作らず仕事ばっかしてるお前を心配してんだって。合コンとか行ってみ？悩みとかあったら聞くからさ。ほんと・・・じゃあ・・俺朝イチでやらなきゃいけないことあるあからさ』

「うん。じゃあ」

真顔でそう言って隆二は自分の部署に入っていった

情けない

非常に情けない

人に心配されるのは少なからず嬉しいことだけど、入社以来５年も彼氏がいない事を同期から心配されるというのは情けない

私は何となく動けなくてその場でため息をつく

わかってる。

私だって干物状態になってることはわかってる

だけど仕方ないじゃないか。

人を好きになるやり方がわからないんだ

そんな気持ちがどこから湧いてくるのかも

わかんないんだから