赤のだるまと桃のさくら (ページ4)

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「…ん、」

パソコンの明るさに目を開けてみると

そこは防音室のゲーミングデスクの上。

どうやら寝てしまったみたい、寝落ちってやつ？

？「ん、起きた？」

「…ん？だれ…？」

だるま「だるまでーすよ。ありさかは飯行ったで」

あれから30分しか経ってへんけどな、と笑う彼。

配信で聞く声とは違い、少し眠いのか優しい声がする。

あの後私はマッチ中に寝落ちしてしまったらしい。

だるさかの奇跡の連携で最後は優勝を勝ち取り

その後はありちゃんが飯食べたいと逃げたとのこと。

「そだったのか…」

だるま「さくちゃん寝息めっちゃ可愛かったで」

「何言ってんだかw」

だるま「ほんまやってw」

俺はイイ男やからな、と言って笑うだるちゃん。

その後実はさくちゃんのファンやで俺、と言いながら

今まで私が獲った経歴を自分のことのように語ってくる。

さっきまで眠そうな声出してたのに、と笑みが零れる

ありさか「ん、さくちゃん起きてるやん」

「んー寝てた…。おはよう〜」

ありさか「おはようってもう夜中やけどなw」

「し、深夜3時…！？」

だるま「オールしてしまうかー？これw」

だるちゃんはその後晩ご飯食べてくる、とミュートに

ありちゃんと2人になった時に彼の口が開いた。

ありさか「俺らおっても大丈夫やった？」

「大丈夫だったよ！寝てしまったから落ちたかと思った」

ありさか「んー…そしたら絶対気にするだろうなーって」

いつかの配信でも10分開始遅れただけで

これでもかと謝ってたよね、って笑うありちゃん。

そのまま彼の口から紡がれる言葉は『だるま』。

ありさか「だるまが言ったんよ、まだ通話居ようって」

「え、だるちゃんが？」

ありさか「絶対気にするし謝らせたくないかららしいよ」

確かに謝ろうと思った時にはすんなりと

だるちゃんに会話変えられていた気がする。

かっこつけたいんかな、と笑うありちゃんに

胸が少し締め付けられる感覚がした。

だるま「ちょっと聞けよお前ら！！！」

「うわびっくりした！？」

ありさか「何やねんうるさいな」

だるま「何か俺とさくちゃんのトレンド入ってる！！」

見ろよ！とdiscordのチャットに送られる言葉。

私は胸の高鳴りを抑えながらスマホに手を伸ばした。