赤のだるまと桃のさくら (ページ25)

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#２４ページ25

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「ん、」

だるま「んあ、おはよーA、起きた？」

「うん…」

だるま「ちょっと待っとってな？」

だるくんはわたしの頭を撫でながらそう言い残し

寝室から出て行った。

時刻は日付が変わり朝の10時

ベッドで一緒に寝ちゃうかも…！？なんて展開は

悔しいけど訪れることは無かった。

『俺寝相悪いし蹴飛ばすかもしれんからこっちな！』

私にベットを譲りすぐ下の布団で

即座に眠りについただるくん。

…一緒に寝たくないのかな、なんて

嫌な考えが頭をよぎる。

「…だめだめ、また嫌な考え方になってる」

1人で小さく呟き、ベッドから起きると

まだ畳まれていない彼の布団の上に足が乗る。

…ちょっとだけなら、いいよね？

「…だるくんの匂いだ、」

彼のベッドで寝たのは確かだけど

彼の温もりが感じられるのはこっちの布団な訳で。

ふわ、とひとつ欠伸が零れる。

油断するなんて私の馬鹿、って後悔するのに。

だるま「朝のコーヒー、淹れた、けど……」

「あっ…」

コーヒーをふたつ持っただるくんと

引き寄せられるかのように目が合う。

先程までの彼のニコニコとは違い

驚いたのが目が更に丸くなっていた。

「あっ、これは違くて、えっと」

だるま「…何でこっちで寝とんの？」

小さく音を立てて棚に置かれるコーヒー。

彼の顔は俯いていて上手く表情が読み取れない

静かな低い声色に喉がごくり、と音を立てる

逃げなきゃ、と脳が危機を知らせてくる

気がつけば私は彼に見下ろされていて。

だるま「っだー！くそ！！ずりいって！！」

急に声を上げてしゃがむ彼に

私は驚くことしか出来なかった

「っな、なに！？」

だるま「あのなあ！？」

「はいっ」

だるま「風呂上がりとかめちゃめちゃに可愛かったんやぞ」

「へっ」

だるま「体火照っとるし化粧してねえ方が可愛いし」

「う」

だるま「寝る時とか一緒に寝たら理性ぜっったい飛ぶし」

「り、りせい」

だるま「襲うってことやぞ分かっとるやろ！」

「わっ、分かってますすいません！！」

だるま「焦って謝っとんのも可愛ええなあ！！」

『俺はこんなにも我慢してんのに』って

私の目の前で悶える彼がとても愛おしく感じた。