もぅ二度と… 【白石蔵ノ介】 (ページ22)

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二度と…17 ページ22

いつも通り教室に入ればたくさんの人に挨拶してもらえる

挨拶を一人ひとりに返して自分の席につき外を眺める

やはりテニスをしている彼は誰よりもかっこ良かった

謙也や千里君よりずっと

けどもう彼は私のものではない

そう思った瞬間

目から静かに涙が流れてきた

拭いても拭いても拭いきれない涙

タオルを机に置きそこに顔をつける

幸い泣き顔は誰にも見られていないようだ

私は隣にある蔵の席を眺めた

その瞬間になにかが切れたような気がした

“別れなきゃ”

そう思った

ルーズリーフを1枚取り半分に切りまた半分に切る

綺麗に切れた方に

別れてください

そう書いた

紙は涙でボトボトになった

できるだけタオルで涙を拭き取り彼の机の中に入れた

その後泣いたせいか頭が痛くなったので早退した

ー白石sideー

朝練が終わりいつも通り教室に入る

いろんな人が俺に挨拶してくれる

やけどなんか足りんかった

…橙里が普段なら自分の隣の席に座っとる筈やのにおらんかった

俺は急いで携帯を確認したけどLI○Eはきとらんかったし

ごめん以外の返信はなかった

心配やったけど俺まで早退する訳にも行かへんし

とにかくLI○Eだけ入れとくことにした

白石なんで早退したん?

返信…

既読すらつかなかった

いつものように教科書を机の中にしまうと

ｸﾞｼｬｯ

紙を潰したような音がした

白石「？？」

俺は机に手を突っ込み

机の中をあさる

そして見つけた紙に書いてあったのは…

“別れてください”

そのたった8文字だった

俺と別れる=橙里

白石「は！？」

クラスメート「!?」

白石「ごめん俺早退するわ

先生にうまいことゆーといて」

男「おー

じゃあなぁー」

白石「おん!!

また明日!!」

俺の足は自然と橙里の家の方向を向いていた

ー橙里の家の前ー

ピーンポーン

5分ほど迷ったがインターホンを押すことにし押した

…

全然出てくれへん…

ー5分後ー

「なに？」

白石「早退したって聞いたから心配してきた」

「どうせ嘘でしょ？

心配なんてしてないでしょ？」

白石「どないしたんや？」

「昨日の部室で女の子といたよね

絶対あれ浮気だよね

女の子が

「蔵…誰か来たらどないするん？

これ以上はアカンって…///」

って言ってそれに対して

ええやんってゆーとったやん!!

うちもぅ二度とあんたなんかに恋せーへんわ!!」

ﾊﾞﾝｯ