20 恥ずかしい ページ20
*
今日はもう疲れたよ……。
*
なのに……
「A、お風呂に入ろうか」
そう言い手を引く彼。
お風呂……だと⁉
因みに、このお家には各部屋ごとにお風呂がある。
大浴場もどこかにあるらしい。私はまだ全容を把握しきれていない。何それどんな豪邸だ。
……広いなぁ。私と彼の二人きりのこのお家。
私のためにこの豪邸を建てたと思われる。
組織にも寮なり部屋なりあるだろうに……。
こんなに私をどろどろに甘やかし愛してくれる彼。
そんな彼に誘われて断れるだろうか?
否、出来ぬ……と見せかけて努力はしてみようか。
「えー、ひとりでできるもん!」
すると、陣くんの体が固まった。
サァーーーっと彼から血の気が引くのを目のあたりにすることに。
笑顔が歪み、涙目で見つめられる。俺のこと嫌いなの?って顔に書いてある。
「A〜、お、俺のこと嫌いなの?」
あぁ……言葉に出ちゃった。
私はその問いに対して、首をぶんぶんと左右にふり否定を表す。
「んーん。Aね、もぉ5歳なの。」
うぅ……私も正直に言おうか……
「Aはね、陣くんがだいすきだよ。だからね……だからね、はずかしーのっ!」
「は……恥ずかし…い?」
彼は目付きの悪い目をおおきく見開いてぱちくり。
「あ、はははははっ!!」
そして大笑い。な、なぜだ!?
さっきの涙も目元に残っているから、今の彼は泣き笑い状態だ。
そんな彼を見て、ふと思い出す。
……あの日とは違う顔。
不思議。この人は色んな顔を持ってる。
あのお葬式の日、見せた顔は、朝露に濡れる花のような笑顔だったのに、今の顔はまるで太陽のもとで咲く大輪のひまわりで。
「もぉー、わらわないでっ!」
「Aも大きくなったんだな」って、また笑うもんだから私はプリプリ怒っていて。
でも本当は何だか心が温かくて。
ひとりでお風呂に入った後は、温まった身体で陣くんのベッドにもぐりこんだ。
「A湯たんぽよぉ〜……ふわぁ」
ぽかぽかな身体は、ふわふわなおふとんに包まれて欠伸がでる。
うとうと…
幼児の身体は眠気に勝てなくて……
彼の部屋で、彼のシャワーの音をドア越しに聞きながら、私はすやすや眠りについてしまった。
「A……いつもは自分の部屋なのに、今日はどうしてここにいるのかな?」
そう言ってふわりと笑う彼。
そんな彼に伝えれなかった私の気持ち。
この心の温かさを、陣くんにも伝えたかったの。
ラッキーアイテム
・元太のうな重
今日のあなたのお供☆黒の組織character占い
ボス(あのお方)
268人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからと、頑張って下さい^_^ (2019年12月15日 14時) (レス) id: d5ce52b4e8 (このIDを非表示/違反報告)
謎NEX_睫育中♪(プロフ) - ぴぇぇ……読み返したら誤字が(泣)お話の更新はもう暫くお待ちくださいね。 (2019年3月24日 16時) (レス) id: 9811fe7262 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:謎NEX | 作成日時:2018年12月21日 16時