157.覚悟 ページ19
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思わず息を殺した。
バレないように…。
だってドアの前に座ってたのは
翔さんだったんだから。
だけど足が動かない。
どうしよう、どうしようって頭の中では考えるけど行動に移せない。
人の気配に気づいたのか、翔さんが顔を上げた。
翔「A…」
翔さんが勢いよく立ち上がって、その勢いのままにこっちに近づいてくる。
多分、怒ってる。
後ずさる前に翔さんの腕の中に収まった。
「…なんで…」
翔「それはこっちのセリフだ！
電話も出ねえ、家にも帰ってねえ、
どう言うつもりだ。」
「…すいません…」
翔さんの温もりが、やけに心に染みて
泣きたくなった。
妻夫木さんも、隆太さんも
あたしを励ましてくれたけれど。
実際のところ、本当の気持ちは翔さん本人にしか分からないことで。
だからこうやって抱き締められるのも最後かもしれない。
翔「…でも無事でよかった…」
ぎゅーっと強く、強く抱き締められる。
それに比例してあたしの心臓も苦しいくらいに、ぎゅーとなった。
翔「とりあえず中入れろ。」
いつから待っててくれたのか、翔さんの頬が冷え切ってた。
申し訳なさが込み上げてきて、すぐにドアを開けて中に入ってもらったら
玄関でまた抱き締められた。
もう、お願いだから
これ以上あたしを締め付けないで…。
翔「勝手にいなくなんなよ…」
「…すいません、」
翔さんの安心しきった顔がゆっくりと近づいてきた。
だけどあたしは無意識にそれを避けた。
そんな自分に、腹が立つ。
やっぱり翔さんを信じきれていない証拠。
翔「んで逃げんだよ。」
理由なく避けたあたしに少し怒った翔さん。
ちゃんと翔さんの口から聞きたい。
ここで終わるんであっても、
妻夫木さん達が言うように、もう完全に過去になっていても。
ちゃんと、翔さんから聞きたい。
「翔さん、お話があります…」
翔「んだよ。」
「まず、あっちに行きましょ？」
やっと靴を脱ぎ、リビングに通す。
ソファに座っててもらい、暖かいコーヒーを淹れて翔さんの前に置いた。
翔さんが不思議そうに、あたしを見てる。
もうそれだけで泣きそう。
覚悟を決めた。
「翔さんにとって、美桜さんは…」
息が詰まる。
この先の声が出そうにない。
どうしよう、
翔「は？美桜がなんだ？」
翔さんの口から出される"美桜"
て名前だけで、もう、胸が張り裂けそう。
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ゆかり - ドSのしようちやんも甘いしようちやんもどっちも好きだよ (2016年10月4日 13時) (
レス) id: 82e7161b7d (このIDを非表示/違反報告)
嵐love(プロフ) - 遅くに感想を書いてごめんなさい。だけど読んですぐに感想を書きたいなぁ〜と思ったので書いました。翔ちゃんに誘惑されたいと思いました。私は、甘い翔君もﾄﾞS翔君も大好きなので今度は、甘い翔君を読みます。 (2015年6月26日 1時) (携帯から) (レス) id: 074d8cdebf (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とってもおもしろかったです！いい作品を書いてくださりありがとうございます。 (2015年6月14日 21時) (レス) id: 2e35954660 (このIDを非表示/違反報告)
桃娘(プロフ) - ぴんらいさん» ありがとうございました！期待裏切ってなくて本当によかった…。最後はハッキリ言おうかな、て悩んだんですが…そう言ってもらえてよかったです。その先は妄想にお任せします（笑）本当にありがとうございました。 (2015年5月6日 23時) (レス) id: 33bc81f10c (このIDを非表示/違反報告)
桃娘(プロフ) - ｺﾛﾁｬﾝさん» 楽しみだったなんて…光栄です。本当にありがとうございました。ぜひ、新作の方でもよろしくお願いします！いつでも誘惑ダーリンに誘惑されに来てください←（笑） (2015年5月6日 23時) (レス) id: 33bc81f10c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃娘
| 作成日時：2015年4月19日 23時
