Memory＊日本語の修得＊ ページ26
ここでの『』は日本語です
.
『A！』
『Σほぇ！？』
翌朝。
朝から大量の荷物をもって走り回ってたAが
スクアーロの部屋の前を通りかかったとき、
扉が開いて中からスクアーロが飛び出してきた。
急なことに抱えた荷物が落ちないように
気を付けながら急ブレーキをかけて立ち止まる。
『す、スクアーロ…急に出てこないでください…』
『う"ぉ…わ、わりぃ…』
あれからずっと引き込もって勉強していたから
あんなに勢いよく出てこられると流石に驚く。
Aは素直に謝ったスクアーロを見ると
自分を落ち着かせるようにこほん、と
小さく咳払いをしてから彼に向き直った。
『日本語は覚えましたか？』
『勿論だぁ！一週間で完璧にしたぞぉ！
これでちゃんと会話できるなぁ』
『おぉ…読み書きも？』
『当然、完璧に仕上げてきたぜぇ！
テストなんか満点で合格してやらぁ！』
『流石スクアーロ』
確かにAとの会話はちゃんと成立している。
それに、本人がこれだけ自信に満ちた表情で
完璧だと言うなら本当に完璧に仕上げたのだろう。
それならもうこのスパルタ式教育は必要ない。
「では、もうイタリア語に戻しても大丈夫ですね。
スクアーロ、まさかイタリア語を忘れたりとか…」
「んなわきゃねぇだろぉ」
「ふふ…ですよね。よかった」
もしこれで本当にイタリア語を忘れていたら
本末転倒どころの騒ぎではすまない。
本部がイタリアなのにイタリア語が話せないなんて
そんな馬鹿げたことが許されるわけもない。
「次はフランス語ですかね？」
「もうこんな荒療治はやだぞぉ…」
「今回はテストがあるので仕方なかったんですよ」
本当に疲れきった顔のスクアーロを見て
Aはすみません、と苦笑した。
Aだってゆっくり教えたいのは山々だったが、
万が一にもテストに落ちたらとてつもなく困る。
まぁ、どちらにせよいつかは必要なことだから
そこまで激しくは後悔していないが。
「次からはちゃんと優しく教えてあげますから。
半年ほどかけてゆっくりやっていきましょう」
「おぅ。Aのためにも頑張らねぇとなぁ…
…あ、荷物運び手伝うぜぇ」
「…ふふ。ありがとうございます」
バカだけど、こういう優しさは彼の長所だと思う。
Aは自分が持っていたダンボール三つのうち
最も軽そうなものを選んでスクアーロに差し出した。
.
Memory＊下町育ちの底力＊→←Memory＊変わらぬ薄紅＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 476人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「成り代わり」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
丸川雅也 - ヴァリアー大好きやー！特にフランとベルが好きや♪( ´▽｀)これからも頑張りやー！応援しとるで〜(=ﾟωﾟ)ﾉ (2016年2月29日 18時) (
レス) id: a88a1cf72d (このIDを非表示/違反報告)
黄色い華(プロフ) - 夢主さんの怪しい可愛さが好きです！ 更新頑張って下さい、応援しています！ (2015年2月7日 23時) (レス) id: a60929f203 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - ベルの扱い方ェ．．．ｗｗしかもスクがボスコンｗｗｗｗｗ←(笑いすぎ注意)あ、更新待ってますー頑張ってくださーい、あのオチアンケのやつ(顔文字)みたらなぜか…なぜか笑っちゃいましたー… (2015年2月7日 15時) (レス) id: 8100f6f65c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - ベル可愛い♪♪ 続きが気になります！ (2015年2月3日 19時) (レス) id: c905f00d5e (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - ヴァリアー、とっても好きです。なかでもスクアーロ好きです！再新がんばってください。待ってます！ (2015年2月3日 19時) (レス) id: c03c618686 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
