Memory＊何度目かの発作＊ ページ10
次第に濃くなり、水面を染めていく赤。
只でさえ水中は命を落としやすいというのに…
今はそれに加えて鮫が泳いでいる。
どうしよう。
あの赤がスクアーロのものだったら。
雨の子の息が絶えてしまったら。
二人が鮫に食べられてしまったら。
二人が溺れ死んでしまったら。
色々と最悪の事態が高速で脳裏をよぎる中。
どくん、と心臓が跳ねた。
「……っ…はっ…」
「ボス…？」
頭がクラクラする。
寒くもないのに震えが止まらない。
立って、いられない。
思わず数歩後退ってから地面に膝を付く。
それでもなお異変は治まらず…
抱いていたマーモンをおろし片手で胸を押さえる。
「っ……く、ごほっ…っ……ぁ…はっ…っ」
「ボス！？ボスどうしたの！？」
「っ…へ、き……はっ…けほっ……っ…」
吸っても吸っても苦しいと脳が告げる。
酸欠のようなこの状態。
これは、初めてじゃない。
私がボンゴレに引き取られて日が浅い頃…
まだ馴染めていなかった頃に何度か経験した発作。
最近ではクーデター決行の前日や目覚めた直後に起きた。
いわば過呼吸症候群と呼ばれているもの。
精神の揺れと直結しているらしいから…
きっと私の不安と脳がリンクしたのでしょう。
大丈夫。
過呼吸なら、少し苦しいだけで死にはしない。
「ボス！ボス吸わないで！息を吐いて！！」
「は…っ……ぁっ…」
「ボス！！」
意識が朦朧とする。
辛うじて分かるのは私に呼び掛けるマーモンの声と、
いきなりのことに同様を隠しきれていない幹部達の気配。
頭では吐こうと思っていても体がいうことを聞かない。
視界がぼやけてきた、その時。
ザパアァンッ！！
『う"おぉぉい、勢い余って鮫叩っ斬っちまったぜぇ…
これは共食いにはならねぇよなぁ？』
緊張感のないことを言いながら、
赤い水面からスクアーロが飛び出した。
片手には雨の子を抱えたまま。
二人とも生きている。
それが分かった途端に治まってくる発作。
安心感からか遠くなる意識。
…あぁ、倒れるな、これは。
ドサッ…
「ボス！？ボス、しっかりして！ボス！！」
倒れる、と思った途端に揺れた体。
地面に叩き付けられる感触。
それを痛いと感じるより先に暗転する視界。
脳内がぐるぐると回る。
体の感覚が徐々になくなってきて、
寝ているのかどうかさえ分からなくなってきた頃。
珍しく焦ったように私を呼ぶマーモンの声を最後に、
私の意識は深く暗い闇の中へと沈んでいった。
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紅葉 - 黒猫さん、夏休みで忙しいと思われますが更新頑張ってくださいね。いつも萌えさせてもろてます！ (2015年8月3日 16時) (
レス) id: bd246bba73 (このIDを非表示/違反報告)
可愛いものとロリショタ好きな色々危ない甘党女子高生 - 黒猫さん…緑の星マーク付きましたね〜ニヨニヨ←それほど人気なんですね♪更新頑張ってください♪ (2015年8月2日 22時) (レス) id: 8e4538ac73 (このIDを非表示/違反報告)
Coniglio bianco - 黒猫さん無理しない程度に更新頑張ってください…うちは黒猫さんのファンなのでず~っと待ってます！ (2015年7月28日 1時) (レス) id: cf11615a1c (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - 黒猫さん忙しいのかしら… (2015年7月27日 20時) (レス) id: d5f3ef99d8 (このIDを非表示/違反報告)
トンぬら(プロフ) - スクアーロが可愛すぎます!もうこの作品大好きです!!最高すぎます(ｸﾞﾍﾍ 更新頑張って下さい! (2015年7月24日 12時) (レス) id: eb9b83809d (このIDを非表示/違反報告)
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