Memory＊気付かないワケ＊ ページ32
スクアーロに指摘されて自覚したからでしょうか。
さっきより増して頭がボーッとする。
何の考えもなしに天井を見つめていると、
ふいに額に冷たいものを乗せられて驚いた。
…どうやら予想以上に弱っているようで。
まさか、スクアーロの気配にも気付けないとは。
不覚です。
「…私が素直に従った意味ですけどね」
「んあ？」
ふわふわと微睡む意識の中で言葉を紡ぐ。
特に何の意味があるわけでもない。
言っておかなゃいけないことでもない。
ただ、何となく、伝えてみたくなっただけ。
「さっきの君が母に似ていたんです」
「母…って、お前の母親…？」
私が父以外の家族の話をすることはほとんどない。
だから珍しいのでしょう。
スクアーロが興味深そうな顔をしている。
母は８年前に末期ガンでした。
きっと今はもうこの世に存在しないでしょう。
だから話したくなかった。
思い出すと悲しくなるから。
母を求めて泣き叫びなくなるだろうから。
でも…
今なら話せるような気がするのです。
「…昔、母に言われたんですよ。
私は体調を崩すと無意識のうちに隠そうとするのだと」
隠そうとしているわけではない。
無意識のうちに。
本当に、私自身も気付いていないうちに。
体調不良を隠して気丈に振る舞うのだと。
「ですが、私には体調を崩している自覚もない。
だから結局誰も気付けず倒れるのだともね」
「あぁ…」
…何ですか、その納得といった反応は。
確かに今も自覚ありませんでしたけど…
でもほら、素直に仕事を切り上げて寝てるじゃないですか。
そんな呆れたような顔しないでくださいよ。
何だか、よく分からないけどやるせなくなる。
「…多分、私は母に心配をかけたくなかったのです。
母は忙しい人でしたから、重荷にはなりたくなくて」
ジトーっとした目から逃れたくて話を続ける。
これは今になって気付いたこと。
きっと私は無意識のうちに母に一線を引いていた。
私にとって母は二度目の生の母だったから。
心の奥底では他人だという思いが捨てきれなかった。
だから、心配かけたくなかった。
私が気付かなければ…
私が自覚しなければ不調などないものになると思って。
…そんなこと、あるわけないのにね。
Memory＊素直なコトバ＊→←Memory＊無自覚の不調＊
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紅葉 - 黒猫さん、夏休みで忙しいと思われますが更新頑張ってくださいね。いつも萌えさせてもろてます！ (2015年8月3日 16時) (
レス) id: bd246bba73 (このIDを非表示/違反報告)
可愛いものとロリショタ好きな色々危ない甘党女子高生 - 黒猫さん…緑の星マーク付きましたね〜ニヨニヨ←それほど人気なんですね♪更新頑張ってください♪ (2015年8月2日 22時) (レス) id: 8e4538ac73 (このIDを非表示/違反報告)
Coniglio bianco - 黒猫さん無理しない程度に更新頑張ってください…うちは黒猫さんのファンなのでず~っと待ってます！ (2015年7月28日 1時) (レス) id: cf11615a1c (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - 黒猫さん忙しいのかしら… (2015年7月27日 20時) (レス) id: d5f3ef99d8 (このIDを非表示/違反報告)
トンぬら(プロフ) - スクアーロが可愛すぎます!もうこの作品大好きです!!最高すぎます(ｸﾞﾍﾍ 更新頑張って下さい! (2015年7月24日 12時) (レス) id: eb9b83809d (このIDを非表示/違反報告)
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