【チューリップ】永遠の愛 ページ8
私の手を握ってニコニコと機嫌よく笑う子供。
それを見ながら溜め息を付く柊。
溜め息を付きたいのはこっちだ。
「それで、その少年を押し付けられたと」
「まぁ…そういうことになるな」
私は嫌だと言ったんだが…
あの人は昔から変なところで頑固なんだ。
一度言い出したら聞かない。
それどころか『はい決定』とでも言うかのように放り出された。
戻ろうにも門を閉められた。
私にどうしろというんだ。
本気で私に子育てをしろというのか。
夜叉に子供を育てろというのか。
……そんな無茶な。
「でも、まぁ、年的には親子になれなくもないですよ？」
「斬り殺されたいか貴様」
「すみません冗談です」
それは私も薄々気付いてるんだ。
髪色が似てるからなりうると気付いてるんだ。
目の色も赤と紫ではそこまで不自然でもないし。
となると何だ、父親は柊か？
…いや、柊は青髪青目だからな。
どこにも共通点がないから無理か。
「はぁ……仕方ない、猫を拾ったとでも思うことにする」
「でっかい猫ですね」
「余計なことを言わないでくれるか」
だって、それしかないじゃないか。
猫だとでも思わないとやっていけない。
…猫だったらよかったのに。
「そういえばお前、名前は何て言うんだ」
「え、僕？」
「お前以外に誰がいる」
育てるなら育てるで名前を知らないのは不便だ。
そう思って聞いたんだが、子供は首を傾げたまま唸るだけ。
たっぷり数十秒ほど考えてから開かれた口。
それが紡いだ言葉は私達に少なからず衝撃を与えた。
「僕には名前なんてないよ」
「ない…？」
「うん。僕は商品だからさ。
おじさん達が、売れてからでいいだろーって」
あぁ…
そういえばコイツは人身売買の商品だったか。
あの組織の人間はもうこの世にいないから文句の言いようもないが…
せめて偽名くらい付けておいたらどうなんだ。
むしろ今まで何て呼んでたんだ。
そしてこれから何て呼べばいいんだ。
「姫、名前がないのは俺達にとって不便です。
姫が名付けて差し上げたらどうですか？」
「…私が？」
「わっ、ホントッ！？
僕、おねーさんに付けてほしい！名前！」
「えぇー…」
確かに、新しく名を付けるのが一番楽なんだが…
だからといって私が名付けるのはな…
…いや、だから、そんなに目を輝かせるな。
そんなキラキラした目で私を見るな。
柊お前後で仕事詰め込んでやるからな覚悟しろよ。
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K・M - メッチャ続き気になるんですけど。 (2015年10月7日 21時) (
レス) id: 6b3a0c3161 (このIDを非表示/違反報告)
鞠(プロフ) - リクエストさせていただきます！白蘭が、初めてマシマロ食べるシーンとかをお願いします！ (2015年8月27日 21時) (レス) id: 2dbae0e4b6 (このIDを非表示/違反報告)
トンぬら(プロフ) - あ、じゃあリクエストさせて下さい!マーモンと子百蘭とで何か誕生日ネタをやって欲しいです！後はお任せします。適当ですね、すいません。他のアルコバレーノ登場でもいいでお願いします！ (2015年8月17日 2時) (レス) id: eb9b83809d (このIDを非表示/違反報告)
ノーノン(プロフ) - リクエストです！ちょっと、お風呂騒動をしてほし〜なぁ、と…。結果的に入らなくても全然いいんで！お願いしま〜す (2015年8月16日 15時) (レス) id: c3b57de6d5 (このIDを非表示/違反報告)
織姫*Vega(プロフ) - 新作おめでとうございます！感想書くの初めてなので変なところがあったらごめんなさい…。日常編のリクエストなんですが、子白蘭が教えてもらいながらお料理するのとか見たいです！ (2015年8月15日 23時) (レス) id: 39f42d79b9 (このIDを非表示/違反報告)
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