【サツキ】節約 ページ5
廃工場から出ると、始末班と共に来ていたらしい部下に迎えられた。
廃墟でAを姫と呼んでいた男。
彼はAに向け頭を下げると、すぐに後ろに待機していた車の扉を開ける。
さも当たり前であるかのように。
Aは特に何かを言うこともなく車に乗り込む。
うろたえていた少年は引きずり込んだ。
それを確認した男は扉を閉め、自らは運転席に乗り込んだ。
「柊、依頼主の元へ向かってくれ」
「御意」
向かうは依頼主のアジト。
この少年を依頼主に渡してしまえばこの依頼は完了だ。
Aはポスッと柔らかなイスに身を預けながら横目で隣に座っている少年を見る。
何が面白いのか、窓から外を眺めては凄い凄いと言っている。
まるで初めて電車に乗った子供のように。
廃工場まで連れられたなら初めてではないだろうに。
…いや、目隠しでもされていたなら話は別だが。
「おねーさん！おねーさんっ！」
「何だ？」
「あのね、あれ何？何であんなに集まってるの？」
あれ、と言って指差されたのは人混み。
どうやら何かのイベントでもやっているらしい。
Aは好んであのような場所には行かないから詳細はよく分からないが…
よくもまぁ、あんな人混みに平然と入っていける。
「地面に飴玉を放置するとアリが群がるだろう」
「うん」
「それと同じだ」
群がる理由は人それぞれ。
安売りであったり、特典であったり。
Aは物欲がほぼないから、彼らの行動は理解しえない。
だが、彼らにとって群がる理由は大切なものなのだろう。
だから飴玉とアリに例えた。
この例えは強ち間違っていないと思う。
「おねーさんは行かないの？」
「チョウは飴玉に群がるか？」
「ううん。チョウは花粉が好きだから。
…あ、おねーさんはチョウだから群がらないのか！」
成るほど、と一人頷く少年。
納得したのかニッコニッコと嬉しそうに笑っている。
「じゃあ、僕とおねーさんは一緒なの？」
「さぁな。お前がカブトムシなら私とは違う」
「あ、そっか、カブトムシは木のミツを食べるから…
うわぁ、何か面白い！面白いね、おねーさんっ！」
「そうだな」
こんな、何とも言えない話をしながら車は進む。
あそこの群がりはクモだとか、あっちはバッタだとか。
Aは少年の話を頷きながら聞いていた。
ちなみに、少年の中で柊は働きバチだった。
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K・M - メッチャ続き気になるんですけど。 (2015年10月7日 21時) (
レス) id: 6b3a0c3161 (このIDを非表示/違反報告)
鞠(プロフ) - リクエストさせていただきます！白蘭が、初めてマシマロ食べるシーンとかをお願いします！ (2015年8月27日 21時) (レス) id: 2dbae0e4b6 (このIDを非表示/違反報告)
トンぬら(プロフ) - あ、じゃあリクエストさせて下さい!マーモンと子百蘭とで何か誕生日ネタをやって欲しいです！後はお任せします。適当ですね、すいません。他のアルコバレーノ登場でもいいでお願いします！ (2015年8月17日 2時) (レス) id: eb9b83809d (このIDを非表示/違反報告)
ノーノン(プロフ) - リクエストです！ちょっと、お風呂騒動をしてほし〜なぁ、と…。結果的に入らなくても全然いいんで！お願いしま〜す (2015年8月16日 15時) (レス) id: c3b57de6d5 (このIDを非表示/違反報告)
織姫*Vega(プロフ) - 新作おめでとうございます！感想書くの初めてなので変なところがあったらごめんなさい…。日常編のリクエストなんですが、子白蘭が教えてもらいながらお料理するのとか見たいです！ (2015年8月15日 23時) (レス) id: 39f42d79b9 (このIDを非表示/違反報告)
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