【アザミ】人間嫌い ページ1
草木も眠る丑三つ時。
薄汚れた廃墟に散らばる、無惨に切り刻まれた肉塊。
おそらくそれらは元々人間だったのだろう。
所々にその面影であるかのように部位が残っている。
勿論、みな直視できない程に切り崩されているが。
ぐしゃり。
そんな血に濡れた廃墟に生々しい音が響いた。
何者かによって肉塊が踏み潰された音。
途端、地面に映し出される二つの影。
転がっていた肉塊を平然と踏み越えるものが一つ。
片手からはスルりと細長い影が伸びている。
そして、その影に怯え必死に後ずさるものが一つ。
まるで捕食者と獲物。
捕食者は獲物を捕らえるべくゆっくりと片手をあげる。
月の光を受けて鋭利に輝く純白の刃。
獲物が叫ぶ暇もなく降り下ろされたそれは正確で。
スッパリと命の線を断ち切った。
ゴトリ、と新しく地面に転がった肉塊。
その場に残った生き物は刃をもつ一つの影のみ。
影はそれを把握すると、刃を下ろし一言紡ぐ。
「依頼、完了」
それと同時に雲に覆われていた月が顔を出す。
月光により露になる影。
凛とした声音。
細い体。
風に靡く長く美しい白髪。
涼しげな印象を与える切れ長の紅い双眸。
その全てが美しいといえる、妖艶な女。
だが、凛とした声音には抑揚がなく。
細い体ながら露出がほとんどなく。
靡く白髪には誰のものか分からない鮮血を浴び。
冷酷な紅い双眸が見つめる先にあるものは、死。
まるで夜叉。
故にこの女に付けられた名は夜叉姫。
「姫、次の仕事へ」
スッとどこからともなく現れた若い男。
片膝を付き、頭を垂れ、夜叉姫の言葉を待つ。
「分かってる」
それほど間を開けることなく答えられた言葉。
それを聞いた男は短く声をあげ、より深く頭を垂れる。
まるで忠誠を誓うかのように、深く。
「…行こうか」
夜叉姫がそう告げたのとほぼ同時。
再び月が雲に隠れ、二人の姿は闇へと消える。
次に月が現れたとき。
そこに彼らの姿はなく、血濡れの肉塊のみが残されていた。
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K・M - メッチャ続き気になるんですけど。 (2015年10月7日 21時) (
レス) id: 6b3a0c3161 (このIDを非表示/違反報告)
鞠(プロフ) - リクエストさせていただきます！白蘭が、初めてマシマロ食べるシーンとかをお願いします！ (2015年8月27日 21時) (レス) id: 2dbae0e4b6 (このIDを非表示/違反報告)
トンぬら(プロフ) - あ、じゃあリクエストさせて下さい!マーモンと子百蘭とで何か誕生日ネタをやって欲しいです！後はお任せします。適当ですね、すいません。他のアルコバレーノ登場でもいいでお願いします！ (2015年8月17日 2時) (レス) id: eb9b83809d (このIDを非表示/違反報告)
ノーノン(プロフ) - リクエストです！ちょっと、お風呂騒動をしてほし〜なぁ、と…。結果的に入らなくても全然いいんで！お願いしま〜す (2015年8月16日 15時) (レス) id: c3b57de6d5 (このIDを非表示/違反報告)
織姫*Vega(プロフ) - 新作おめでとうございます！感想書くの初めてなので変なところがあったらごめんなさい…。日常編のリクエストなんですが、子白蘭が教えてもらいながらお料理するのとか見たいです！ (2015年8月15日 23時) (レス) id: 39f42d79b9 (このIDを非表示/違反報告)
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