七夕1〈10骸成り・10ツナ〉 ページ18
*綱吉side*
わいわいと話し声で溢れるパーティー会場。
俗にいう、七夕祭り。
本当は昨日祝うはずだったんだけどね。
俺の仕事の関係で一日遅れちゃったんだ。
そのせいであんまり大人数には出来なかったけど…
守護者達だけは皆参加してくれた。
…まぁ、約一名早々にバルコニーに逃げた奴いるけど。
「A、楽しんでるか?」
「…これが楽しんでいるように見えますか?」
「あはは…見えないかも」
予想通りの答えに苦笑を浮かべながら、
ワインを片手に空を見ていたAの隣に並ぶ。
少し前までのコイツならこの時点で一歩下がってた。
でも、月日の流れを経て成長したのかな。
それともただ単に慣れただけなのかな。
俺が隣に並んでも距離を開けなくなった。
俺はそれが嬉しくて嬉しくて…
…だからって馴れ馴れしくしすぎると殴られるけどね。
俺の霧の片割れはツンデレだか((ゴスッ!
「いたっ!?何!?何で急に殴られたの!?」
「君の顔にムカついて」
「Σひどっ!!」
真顔で言うなよ!
お前のことだから本気で言ってんだろうけど!
その素直な言葉は人の心を抉るんだぞ!
主に俺の!
てか俺以外にここまで罵倒してんの聞いたことないし…
…え、何、俺嫌われてんの?
それともこれがコイツなりの愛情表現なの?
「こんな大人数の中にいたせいで気分が優れません。
顔は見せたので帰っていいですかね」
「いやいやいや待て待て待て」
どうみても進んで参加したわけじゃないのは分かる。
丸くなったとはいえ、こういう集まりは嫌いらしいから。
今日はあんまり人がいないから参加してるみたいだけど、
普段のパーティーとか顔だけ見せて帰るからねコイツ。
何のための守護者だよ。
…でも、本気で嫌らしいからいつもは帰らせてるけど…
今日は七夕なんだからそう簡単には帰さないぞ。
「お前さ、短冊書いた?」
「いえ。七夕などというものは昨晩終わったはずです。
遅刻しておいて願いも何もないでしょう」
「そりゃそうなんだけどさ…
ほら、イベントごとにはノッたほうが楽しいじゃん?」
お前もイベント好きなくせに、と絡んでみたら、
表情の変化が乏しいはずのAに心底嫌そうな顔をされた。
いつも浮かべてる微笑みなんて微塵もない。
…何か鋭いものが胸に突き刺さった気がする。
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死の使いの黒猫(プロフ) - 破滅焔の夢主とヴァリアーでカラオケ! (2016年3月19日 0時) (レス) id: b3d100f340 (このIDを非表示/違反報告)
トンぬら(プロフ) - 黒猫さん» おお!流石ですね、めっちゃ満足です!本当にこのシリーズと黒猫様の作品が大好きでいつも楽しみにしております。最近お忙しいのでしょうか?寒さも厳しくなってきましたし、体調を崩されたのかとハラハラしておりました(苦笑 これからも頑張って下さい応援してます!! (2015年12月2日 23時) (レス) id: bdaa632326 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - トンぬらさん» すみません、遅くなりましたができました!こんなでよかったでしょうか……(・・;) (2015年12月2日 23時) (レス) id: 36aa2ca2e1 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - リクエストいいでしょうか?にょたプリーモ×G受けでプリーモの一挙一動に振り回されるGが見てみたいです!遅くなっても大丈夫なのでおヒマな時にお願いします! (2015年8月29日 12時) (レス) id: 5a6eccf4ba (このIDを非表示/違反報告)
怜弥(プロフ) - アラウディと夢主の絡みお願いできますか? (2015年8月18日 17時) (レス) id: b52ead1178 (このIDを非表示/違反報告)
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