―…貴方が好きでした～愛と嫉妬の四重奏～ (ページ4)

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前世１４５ページ4

『これ一体どういうことですか…っ?!』

『あぁこれかい?全部キミと、そこのお姫様が悪いのさ』

『なんだと…!?』

『君は俺の恋を奪っただけでなく、俺の計画まで邪魔をした』

『計画…?リヒト、計画ってなんなの?』

『…最近隣国の王子が俺達騎士になにやらうまい話を持ちかけてきたらしい、俺はそれについてカイとツルマの三人で極秘捜査をしていた。もちろんお前の父親…国王には承諾を得てな』

『それで…結果はどうだったの…?』

『引き抜きをしようとしていたんだ、アイザインに来いと。それで何人か引き抜かれている』

『もしかして数が多いのは…!』

『あぁこっから引き抜かれた優秀な騎士たちが寝返った証拠だ!だからどうにもやりづらい戦況が続いている』

『あぁそうだ、お前がその計画さえ邪魔しなければ今頃ゼイスのほとんどが、俺の下につくはずだったんだ

なのに…お前がそれを邪魔した…ｯ!!!』

ﾊﾞｯっと黒い塊が勢いよくタトの手の平から放出され、こちらに向かってくる

『あぶない…!』

明らかに私ではなく、リヒトに向けて放たれたもの

私はリヒトの前に立って防御魔法を使った

『やっぱり…そこの男が貴方の想い人なんですね』

『だったらなに!』

『ﾌﾝｯ憎たらしい…』

無作為に様々な場所に魔法を放つタト、そんなタトは以前のような優しい顔ではなかった

『やめろｯ!!!』

タトを止めようとリヒトが走り出す

剣を交えるも見ているだけでもわかる、リヒトが押されていることに

『ｸﾞｯ』

『そんなものか、剣術の王とも呼ばれる者が』

『ｸｿｯ』

何度も剣を交え、魔法を放つ

私の事も気にかけながら戦っているせいだろう、リヒトの動きがぎこちない

『もうやめてくださいタト様ｯ!』

『うるさいぞ』

ﾊﾞｯっと風の魔法で吹き飛ばされる

『きゃぁっ』

『A…!!』

遠くにいたリヒトの手は届かず、そのまま近くの壁に打ち付けられる

『テメェｯ!!!!』

『そうだ、お前らに土産があるんだった』

『土産だぁ?!』

私に危害を加えたことで、リヒトは興奮状態

そんな怒りに身を震わせるリヒトを前に、タトはﾆﾔﾘと不敵な笑みを浮かべ何かを放り投げる

『ほらよ』

ﾎﾞﾄﾎﾞﾄｯっと重い音を立て落ちてきたのは

『ﾋｯ』

『…っ!!!!???』

―…"カイ"と"ツルマ"二人の頭だった